韓国、高騰する子育て費用に出産先送り 卵子凍結サービスが人気に
CHAで働く看護師のジョー・ソヨンさん(32)も、7月に卵子を凍結する予定だ。子どもを持つ前に、是非とも金銭的な環境を良くしておきたいという。
「もしも今すぐ結婚して出産したら、私が育ってきたような環境を子どもに与えてやれない。もっと良い家に、良い地域に住み、もっと良い食事ができるようにしたい」
ただ、たとえ金銭的な問題が小さかったとしても、韓国で子どもを持つには結婚していることが前提条件となる。出生総数に占める婚外子の割合は、OECD諸国で平均41%なのに対し、韓国はわずか2%だ。
日本人タレントの出産が議論に
実際、韓国では独身女性が卵子を凍結することはできても、結婚していない限り合法的に精子の提供を受け、胚を移植するという段階に進むことはできない。この問題は、韓国で活動する日本出身タレントの藤田小百合さんがシングルマザーとして出産する際、日本に戻って精子提供を受けざるを得なかった一件で注目を浴びた。
ソウル女子大学の社会保障研究教授、ジュン・ジャエフーン氏は、こうした現状を変える必要があると訴える。韓国の結婚件数は昨年19万2500件と、過去最低を記録したからだ。これは10年前から約40%減っており、新型コロナウイルスのパンデミックによる影響を受けない2019年の数字を見ても、10年間の減少率は27%に及ぶ。
「政府は少なくとも、子どもを持つことによる金銭的負担を背負う意思のある人々の邪魔だけはしないことだ」とジャエフーン教授は述べた。
それにも増して懸念されるのは、子どもを持つ意思そのものが急低下していることだ。
韓国の女性家族省が2020年に行った調査によると、韓国の20代の52%は、結婚しても子どもを持つ計画は無いと答えた。この割合は2015年の29%から急上昇している。
(Cynthia Kim記者)

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