ロシアが最大50万人のウクライナ人を強制移住 「ろ過収容所」で拷問か
連行されたのちに収容所行きを逃れたある女性は、生活環境を破壊して住めなくすることがロシア軍の手口なのだと指摘する。「ロシア軍はウクライナ人の意志を打ち砕き、人間性を破壊し尽くし、生活不可能な状況を作り出そうとするのです。」
尽きない恐怖 ロシアは「住民保護」主張
この農村に限らず、数十万という人々がウクライナからロシアに強制移住させられている。ロイターによると、ウクライナ議会の人道委員長は4月20日、「50万人のウクライナ市民がウクライナからロシア連邦へ同意なく強制移送された」と述べた。
50万人という数の正確性について客観的な検証はなされていないものの、移送は相当な規模で行われているとみられる。ロシア政府の3月の決議では、親ロシア地域の住民も含め、ウクライナからロシアへ移った市民およそ9万5000人分の名簿が示された。
さらにロシア軍は4月、戦闘の激化するマリウポリから約13万8000人のウクライナ市民を「救出」したと発表している。ロシアのドミトリー・ペスコフ報道官は、これまでに42万人がウクライナと親ロシア派の「危険な地域」から「自主的に避難」してきたと主張している。
一方、マリウポリ郊外の地下壕に避難していた女性はガーディアン紙に対し、「ロシア部隊が私たちの防空施設に押し入り、女性と子供全員に出るよう命じました。選択の余地はありませんでした」と述べている。
住民の保護だとして正当性を主張するロシアだが、人道的見地からの国際的批判は必至だ。