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ウクライナ情勢ロシア攻撃激化でウクライナ・マリウポリ「灰と化す」恐れ 米欧は制裁強化へ
ウクライナ南東部マリウポリでは、前日にロシア側が突き付けた降伏の要求をウクライナ側が拒否したのに続き、ロシア軍が激しい空爆を実施し、市街戦も繰り広げられた。写真は21日、キエフ州東部で破壊された村を歩くウクライナ軍兵士(2022年 ロイター/Gleb Garanich)
ウクライナ南東部マリウポリでは22日、前日にロシア側が突き付けた降伏の要求をウクライナ側が拒否したのに続き、ロシア軍が激しい空爆を実施し、市街戦も繰り広げられた。人道危機が深まっており、市議会は「荒廃地が灰と化した」と惨状を訴えた。
市内では何十万人もの人が食料や水、電力がない状態で建物内に閉じ込められているとみられる。ウクライナ東部ドネツク州のキリレンコ行政長官は、ウクライナの兵士と一般市民がともにロシア軍の攻撃を受けていると述べた。
ロシア通信(RIA)は親ロシア派指導者の話として、ロシア軍と親ロシア派勢力がマリウポリの半分ほどを制圧したと伝えた。
ウクライナのゼレンスキー大統領はイタリア議会でのビデオ演説でマリウポリには「何も残っていない」と嘆き、マリウポリのセルゲイ・オルロフ副市長はCNNに対し、同市はロシア軍により完全封鎖されており、人道支援物資を全く受け取っていないと語った。
オルロフ氏は「ロシア軍機は毎日、50─100発の爆弾を投下し、常に砲撃を受けている状況だ。たくさんの人が死に、泣いている。多くの恐ろしい戦争犯罪が起きている」と強調した。
<西側諸国は制裁強化へ>
一方、米国のサリバン大統領補佐官(国家安全保障担当)は22日、バイデン大統領は今週の欧州訪問中に、ウクライナ侵攻に対するロシアへの追加制裁の適用と現行の制裁強化について同盟国とともに取り組むと述べた。
ロシア軍は首都キエフやその他の主要都市を迅速に制圧するという当初の目的を達成できておらず、消耗戦に移行しつつある。複数の都市が破壊され、西側諸国はさらなる紛争の激化や核戦争への懸念を強めている。
ロシア大統領府のペスコフ報道官は22日、ロシアは自国の存在が脅かされた場合にのみ核兵器を使用すると発言。
CNNとの英語インタビューで、「われわれには国内安全保障の概念があり、それは公開されている。核兵器を使用する理由は全て読むことができる。だから、もしわが国にとって存亡の危機であれば、われわれの概念に従って(核兵器を)使用することができる」と述べた。同時に、それ以外に核兵器を使用する理由はないとも明言した。
<人道的大惨事>
国連人権高等弁務官事務所の22日の発表によると、ロシアのウクライナ侵攻開始以来、民間人953人が死亡し、1557人が負傷した。
ウクライナのベレシュチュク副首相は同日、マリウポリから退避する安全な退避ルートがなく、少なくとも10万人の市民が足止めされているとし、「われわれは市民のための人道回廊を設定することを要求する」と述べた。
ウクライナ政府当局者らによると、ロシアが制圧した南部へルソンでは、ロシア軍が民間人への物資供給を妨害しているという。
ウクライナ外務省のニコレンコ報道官はツイッターへの投稿で「へルソンの30万人の市民はロシア軍の妨害で人道的大惨事に直面している」と訴えた。
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