韓国は監視共和国? 通話の録音やSNS個人情報漏洩の不安広がる
カカオIDの入手方法は不明
政府が導入した新型コロナの感染対策に不安を感じる人もいる。飲食店や小売店の利用者はQRコードの登録が義務付けられている。ある施設で感染者が見つかったとき、同時刻に当該施設に滞在した人を特定して、PCR検査を促すためで、スマートフォンでカカオトークかネイバーのアプリを起動すると個人を識別するQRコードが表示され、そのQRコードを読み取り装置に記録する。アプリがない人は各店に割り振られた安心コールに電話をかけて携帯電話番号を登録する。誰がいつどの店を訪問したかが記録されるのだ。政府が導入した21年6月から今年1月半ばまでに収集されたQRコートは累計で36億件を超えているという。
カカオトークは韓国内で80%のシェアを持つSNSメッセンジャーだ。多くの小売店等がポイントカードを携帯電話番号に切り替えており、セールなどの情報がカカオトークに送られる。登録した携帯電話番号からカカオIDを検索して送っているのだ。
公企業も同様だ。郵便局で国際スピード郵便のEMS等を発送すると受付通知がカカオトークで送られる。また配達完了時も通知が届く。送付状に記載した携帯電話番号からカカオIDを検索するようだ。
韓国では賃貸住宅の水道、電気、都市ガスの契約者は家主で、入居者が料金を負担する。電気や水道の請求書は各家庭のポストに配られるが、ソウル都市ガスの請求書はカカオトークか携帯電話のメッセージで送られる。契約者ではない入居者の電話番号やカカオIDの入手方法は不明である。
海外のSNSに移動する「サイバー移民」増加
韓国では市内各所にCCTVカメラ(防犯カメラなど)が設置され、交通違反もCCTVで撮影する。通話を録音し、私企業はもとより、公企業も収集した情報をカカオトークに登録する。CCTVで市民の動きを撮影し、QRで店舗利用を記録する。韓国中が監視下に置かれている。
メッセンジャーをカカオトークから、海外にサーバがあるSNSに移動する「サイバー移民」が増えており、SNSを退会したり情報を非公開にする人たちが増えている。