無人レジより新しい? 仏の大手スーパーで「おしゃべり奨励レジ」広がる コロナ禍の孤独対策で
特に独身や高齢者への負担が大きかったようだ。2020年4月から5月に1000人以上を対象(対象者の出身地は不明)に行われたザ・ルーツ・オブ・ロンリネス・プロジェクトというオンラインベースプロジェクトの「コロナ孤独」調査では、パンデミック前後で全体として孤独感に181%の上昇が見られたが、中でもミレニアル世代(1981年〜1996年生まれ)、X世代(1965年〜1980年生まれ)、ベビーブーマー(1946年〜1964年生まれ)の順にそれぞれ孤独感が154%増、222%増、224%増と、高齢者になるにつれて孤独感が増加していた。
一方、孤独感は独身の人に高く、子供やパートナーと同居している人の方は低めだが、それでも世代別に見ると、子供のいるミレニアルの孤独感は他世代の子供のいる家庭より著しく高く、独身の人々のそれとほぼ同じくらいだったという。幼い子供を抱えてのロックダウンが若い親たちにいかに大きな負担だったかを示す結果だ。
今後の新型コロナ感染はこの夏いったん落ち着きを見せるものの秋冬には再び新種の感染が増大すると言われており、まだまだ先行き不安定な状態だ。それでも感染がまだ非常に多い段階で各種対コロナ政策を撤廃する欧米諸国が増えているのも、「ロックダウンを二度と繰り返さない」という共通認識があるからだろう。
一部の人々による反コロナ規制デモが注目を集めているが、実際にはかなりパンデミック前の日常に戻りつつある。外食にしても、レストラン入店前にほとんどチェックがなく店内で黙食が奨励される日本とは逆に、欧州では入店前のチェックが徹底されているので、店内では極めて普通に過ごすことができる。そもそも、会話は食事の大切な要素なので、黙食という概念は欧州では浸透しないだろう。欧州は着々とウィズコロナへ方向転換している。