ミャンマー活動家の親に国軍が圧力「家を失いたくなければ親子の縁を切れ」
Myanmar Military to Parents: Disown Dissenting Children or Lose Your Home
2021年11月に「絶縁」されたジャーナリストのソー・ピヤイ・アウン(現在はタイに在住)も、同様の心境を告白した。
「私との縁を切るという広告を見た時は、少し悲しかった」と、ソー・ピヤイ・アウンはロイターに語った。「だが、両親が圧力を恐れたのはわかっている。家を没収されたり、逮捕されたりするのではという不安があったのだろう」
人権団体「ビルマ・キャンペーンUK」の上級理事を務めるワイ・フニン・プウィント・ソンは、こうした公式の絶縁宣言はすべて、国民の間に分断を引き起こし、抗議参加者たちに圧力をかけるための軍事政権の計画の一部だと指摘する。
「(抗議参加者の)家族は、罪を着せられることを恐れている」と、ワイ・フニン・プウィント・ソンはロイターに語った。「自分たちが逮捕されたり、トラブルに巻き込まれたりすることを避けたいのだ」
国軍の常套手段
反政府活動家の家族を標的とするのは、2007年、さらには1980年代末の騒乱の際にも、ミャンマー軍によって用いられた戦略だ。2021年のクーデターが始まって以来、この戦略が復活し、以前よりはるかに頻繁に用いられている。ミャンマーの経済の中心で旧首都ヤンゴンを拠点とし、豊富な経験を持つ上級弁護士のキン・マウン・ミンは、ラジオ・フリー・アジアにそう語った。
「1988年にもこのような事例が数多くあった。たとえその人物が収監されたとしても、家族はその人物と絶縁しない限り、仕事が続けられない状況だった」と、キン・マウン・ミンは指摘する。「自分たちに危害が及ぶことを防ぐためにそうせざるを得なかったとしても、こうしたやり方が家族にとってどれほどつらいかは想像に難くない」
広告を出して我が子との絶縁を宣言した2人の人物はロイターに対し、公に声明を出したのは、政権に対して自分たちが「トラブルメーカー」ではないことを示し、子どもたちの行動について責任を問われることを防ぐためだったと語った。
「私の娘は、自分が正しいと信じる行動をしている。だが、私たちがトラブルに巻き込まれたら、娘もきっと心配するはずだ」と、母親の1人はロイターに語った。「私が娘に対してとった行動を、娘は理解してくれると信じている」
(翻訳:ガリレオ)