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イギリス政治英首相ジョンソン反省 官邸パーティー疑惑、内部調査報告書「中枢部で深刻な過失」
英政府は首相官邸などで新型コロナウイルス感染抑制策実施中にパーティーが繰り返されていた疑惑を巡る調査報告書の一部を公表し、政府の中枢部で深刻な過失があったと結論付けた。写真はジョンソン首相。31日、ロンドンで撮影(2022 年 ロイター/Henry Nicholls)
新型コロナウイルス感染対策の規制に違反して首相官邸などでパーティーが繰り返されていた疑惑について、英政府内の調査報告書が一部公表された。一部のパーティーは開催されるべきではなく、政府の中枢部で深刻な過失があったと結論付けた。ジョンソン首相に対する辞任圧力が一段と強まった。
調査は上級公務員のスー・グレイ氏が実施。政府のこうした行為の一部は「正当化しがたい」と非難した。ただ警察が捜査を進めていることに関連し調査結果の一部は公表されず、グレイ氏は「意義のある報告書」を提出できなかったと述べた。
グレイ氏は調査報告書で「問題となっている集会の少なくとも何件かは、政府の中枢で働く人に順守が求められる高い規範だけでなく、全ての英国民に当時求められていた規範も順守されなかったという深刻な過失だった」とし、首相官邸での「過度なアルコール摂取」は不適切だったと指摘。「パンデミック(世界的大流行)を背景に、政府が国民に対し日常生活における大幅な制限を受け入れるよう求めていたときに、こうした集会を巡る一部の行為は正当化しがたい」とした。
ただ警察が先週、同疑惑を巡る捜査に着手したことを受け、報告書で扱う疑惑のある集会の件数を16件から4件に削減せざるを得なかったとし、「現時点で有意義な報告書を提出することはできなかった」と述べた。
11月13日にダウニング街10番地の首相官邸で開かれたとされるパーティーのほか、2020年5月20日の「お酒持参」を呼び掛けたとされるパーティーなどは、今回の報告書に含まれていない。
首相官邸によると、警察の捜査が終了した時点で報告書は更新が求められ、新たに公表されるという。
ジョンソン首相は議会で謝罪。改善を確約した。政権のチームだけでなく、自身の政党との関わり方も変えると約束し、辞任を求める党内の一部議員を取り込もうとした。
首相の発言を受け、一部で歓声が上がり、首相支持派は不信任投票のリスクが後退したとの見方を示した。
ただ、野党は厳しい姿勢を崩していない。
野党・労働党のスターマー党首は、ジョンソン氏が自分以外の全ての人に責任を負わせようとしていると非難。「首相自身が犯罪捜査の対象になっていることは間違いない」と指摘した。
ジョンソン首相の報道官は「全ての政府部門が職場でのアルコール摂取に関する明確かつ強固な方針を持つよう対策を講じる」と述べた。
調査会社オピニウムが英国の成人1000人強を対象に行った世論調査では、62%がジョンソン氏の辞任を望んでおり、83%はジョンソン氏が規則に違反したと考えている。
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