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カザフスタンカザフの騒乱に乗じ、「一帯一路」で結び付く「中国」の軍派遣シナリオ
PAVEL MIKHEYEVーREUTERS
<大規模な反政府デモを受けてカザフスタンはロシアに軍事支援を求めたが、やはり同国と深い関係がある中国も介入してくるのではとの見方が>
中央アジアのカザフスタンが、年明けから大規模な反政府デモに揺れている。液化石油ガスの価格高騰への抗議が反政府デモとなって全土に拡大し、警察発表によれば1月6日には最大都市の南部アルマトイで治安部隊によってデモ参加者数十人が殺害された。
デモ参加者の怒りは2019年まで大統領の座にあったナザルバエフ前大統領に向けられている。大統領退任後も安全保障会議議長として強権を維持していたが、デモを受けて5日、トカエフ現大統領がナザルバエフを解任し自分が議長に就任すると発表した。
さらにトカエフは、デモ隊鎮圧のためロシアに軍事的支援を要請。中国は今のところ静観しているが、隣国カザフスタンは「一帯一路」の要であり、領土的野心が警戒されている。
上海協力機構のメンバーである両国はこれまで、国内の反政府勢力制圧を目的に「対テロ演習」を共に行ってきており、中国が軍を派遣するという最悪のシナリオも考えられる。
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