インテル ウイグル製品不使用要請が「炎上」で中国に謝罪
Intel Apologies to 'Cherished Chinese Partners' for Xinjiang Goods Boycott
中国でもインテルは欠かせないはずなのに Andrew Kelly-REUTERS
<巨大な中国マーケットへ配慮を迫られる形で謝罪声明を発表>
米半導体大手のインテルは12月23日、取引先の部品メーカーに新疆ウイグル自治区の製品や労働力を使わないよう求めたことについて、中国に謝罪した。
インテルは23日に発表した声明で、「尊敬する中国の取引先やパートナー、国民の皆さまに迷惑をかけたことを謝罪する」と述べ、さらにこう続けた。「インテルは、信頼できる技術パートナーとなり、中国との共同開発を加速させていく決意だ」
同社は12月に入ってから部品メーカーに送った書簡の中で、現在の米政府の規制に従い、新疆ウイグル自治区で生産された製品をボイコットするよう要請していた。中国政府に対しては、同自治区のイスラム教徒のウイグル人を何カ月にもわたって拘束し、虐待し、洗脳していると国際社会から非難の声があがっていた。
しかし、インテルのこの要請が明らかになると、中国で批判が相次いだ。
人気タレントがアンバサダー契約を解除
中国外務省の趙立堅報道官は、インテルは「事実を尊重し、何が正しくて何が間違っているかを見分ける」べきだと非難した。
また中国で人気のユニット「TFボーイズ」の王俊凱(カーリーの愛称でも知られる)は22日、インテルとの「ブランドアンバサダー」の契約を解除したことを明らかにした。
共産党機関紙人民日報系のタブロイド紙で、愛国的な論調で知られる「環球時報」は、王俊凱のこの発表について「巨大な中国市場から利益を得ようとする一方で、中国の核心的利益を損なおうとする、インテルをはじめとする外国企業への新たな警鐘」だと書いた。
謝罪はこうした中国国内の批判に配慮したものと思われる。、
インテルは、中国の技術開発においてきわめて重要な役割を果たしており、北東部の大連市にチップ工場を、北京には研究施設を持っている。
中国がコンピューターやスマートフォンを製造する際の中核部品マイクロプロセッサに使われている化学物質シリカが、新疆ウイグル自治区製であることが多い。中国はマイクロプロセッサの国産化を試みてきているものの、いまだインテル製の半導体に頼る状況が続いている。
新疆ウイグル自治区の問題をめぐっては、活動家たちが2022年2月の北京冬季五輪ボイコットを各国に呼びかけており、緊張が高まっている。米ホワイトハウスは既に、同大会に政府高官を派遣しない外交ボイコットを表明している。また米政府が新疆ウイグル自治区の政府関係者2人に対して制裁を発動したことへの報復として、中国政府は22日、米政府機関「国際宗教自由委員会」のメンバー4人の入国を禁止すると発表した。