最新記事

アメリカ社会

米、1月はオミクロン株の「猛吹雪」で日常生活に大きな混乱も 医療専門家が警鐘

2021年12月31日(金)11時36分
ニューヨークの新型コロナウイルス検査場

複数の米医療専門家は30日、新型コロナウイルスのオミクロン変異株の流行に伴う感染者急増が人々の日常生活に大きな混乱を引き起こし、来月は試練の時期になる可能性があると警鐘を鳴らした。12月14日、ニューヨークで撮影(2021年 ロイター/Brendan McDermid/File Photo)

複数の米医療専門家は30日、新型コロナウイルスオミクロン変異株の流行に伴う感染者急増が人々の日常生活に大きな混乱を引き起こし、来月は試練の時期になる可能性があると警鐘を鳴らした。

ロイターの算出によると、米国では1日当たりの新規感染者が29万人を超え、7日平均に基づく新規感染者数は2日連続で過去最多を更新した。

州別では、少なくとも18州とプエルトリコで新規感染者がこれまでの最多を記録。メリーランド州、オハイオ州、ワシントンDCでは、入院者数が過去最多に達し、全米の入院者も27%増加した。

ミネソタ大学の感染症専門家マイケル・オスターホルム博士はMSNBCに対し「米国では感染者が劇的に増加し、日常生活に影響が及ぶ可能性がある」とし、「来月はウイルスの猛吹雪となるだろう。社会全体が圧力にさらされることになる」と警告した。

バイデン政権のファウチ首席医療顧問は29日、感染者が1月末にかけて増加する公算が大きいという認識を示した。

ベイラー医科大学の感染症専門家ピーター・ヘッツ博士はCNNに対し「オミクロン株を過度に軽視することに注意する必要がある」と強調。入院者の増加や医療従事者の新型コロナ感染などに懸念を表明し、「極めて深刻な時期だ」と語った。

ルイジアナ州では過去2週間で入院者の数が3倍に増加。エドワーズ州知事は記者会見で「現在は新たな感染拡大局面のまだ初期にあり、1月は極めて困難な時期になる」と指摘。年明けにニューヨーク市長に就任するエリック・アダムス氏は「ニューヨーク市を再び都市閉鎖に追い込むことはできない」と述べた。

ただ専門家は、新型コロナ検査不足が解消し、このほど使用が承認された新型コロナの飲み薬が広く利用できるようになれば、状況は1月以降に改善すると予想。ミネソタ大学のオスターホルム博士は「トンネルの向こうに光は見えている」と語った。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2021トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・誤って1日に2度ワクチンを打たれた男性が危篤状態に
・新型コロナ感染で「軽症で済む人」「重症化する人」分けるカギは?
・世界の引っ越したい国人気ランキング、日本は2位、1位は...


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、ウクライナ和平仲介撤退の可能性明言 進

ビジネス

トランプ氏が解任「検討中」とNEC委員長、強まるF

ワールド

イスラエル、ガザで40カ所空爆 少なくとも43人死

ワールド

ウクライナ、中国企業3社を制裁リストに追加 ミサイ
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプショック
特集:トランプショック
2025年4月22日号(4/15発売)

大規模関税発表の直後に90日間の猶予を宣言。世界経済を揺さぶるトランプの真意は?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    しゃがんだ瞬間...「えっ全部見えてる?」ジムで遭遇した「透けレギンス」投稿にネット騒然
  • 2
    【クイズ】売上高が世界1位の「半導体ベンダー」はどこ? ついに首位交代!
  • 3
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ? 1位は意外にも...!?
  • 4
    【渡航注意】今のアメリカでうっかり捕まれば、裁判…
  • 5
    今のアメリカは「文革期の中国」と同じ...中国人すら…
  • 6
    300マイル走破で足がこうなる...ウルトラランナーの…
  • 7
    「2つの顔」を持つ白色矮星を新たに発見!磁場が作る…
  • 8
    トランプ関税 90日後の世界──不透明な中でも見えてき…
  • 9
    米経済への悪影響も大きい「トランプ関税」...なぜ、…
  • 10
    トランプに弱腰の民主党で、怒れる若手が仕掛ける現…
  • 1
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜け毛の予防にも役立つ可能性【最新研究】
  • 2
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ? 1位は意外にも...!?
  • 3
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最強” になる「超短い一言」
  • 4
    あなたには「この印」ある? 特定の世代は「腕に同じ…
  • 5
    パニック発作の原因とは何か?...「あなたは病気では…
  • 6
    中国はアメリカとの貿易戦争に勝てない...理由はトラ…
  • 7
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 8
    しゃがんだ瞬間...「えっ全部見えてる?」ジムで遭遇…
  • 9
    動揺を見せない習近平...貿易戦争の準備ができている…
  • 10
    【渡航注意】今のアメリカでうっかり捕まれば、裁判…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 3
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山ダムから有毒の水が流出...惨状伝える映像
  • 4
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛…
  • 5
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 6
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 7
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 8
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 9
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 10
    「低炭水化物ダイエット」で豆類はNG...体重が増えな…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中