最新記事

中国軍事

中国潜水艦隊の脅威にパニクった周辺諸国が買いあさる軍備とは

China's Submarine Fleet Is Catching Up to U.S., Causing Partners to Panic

2021年11月2日(火)19時03分
ナビード・ジャマリ/トム・オコナー

シンクタンク「米戦略国際研究センター(CSIS)パシフィック・フォーラム」の研究員である防衛アナリストのブレイク・ハージンガーは、水中での軍事力について言えば、韓国にとっては「人民解放軍の潜水艦よりも、北朝鮮の潜水艦の方が遥かに大きな懸念材料だ」と本誌に述べた。

だが彼は、「中国は外洋航行能力の強化を目標に掲げており、中国海軍が潜水艦の派遣範囲を拡大していく可能性は高い」とも指摘した。周辺地域のほかの国々にとっては、「中国海軍の潜水艦が周辺海域に頻繁に来るようになったり、しつこく居座るようになったりすれば、インドやオーストラリア、ニュージーランドな国々も、これまでよりずっと大きな脅威を感じるようになる可能性が高い」と主張した。

中国の軍事的な成果については、最近では海洋進出以外の部分が注目されることが多い。たとえばフィナンシャル・タイムズ紙は、中国が夏に2発の極音速ミサイルの試験発射を行ったと報じた。

こうした次世代兵器の開発競争は、確かに冷戦勃発の懸念を引き起こす。だが現在、米中の対立は主に海上水域で繰り広げられており、最前線の海軍兵や海兵隊員にとっては、潜水艦の脅威こそが、最大の懸念材料であり続けている。

「一般に、潜水艦は偵察能力という点でも、海洋での物理的な脅威という意味でも、確実な脅威だ」とハージンガーは指摘。「古い格言」だとして、次のように述べた。「艦船には2種類しかない。潜水艦と、その標的だ」

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

新型ミサイルのウクライナ攻撃、西側への警告とロシア

ワールド

独新財務相、財政規律改革は「緩やかで的絞ったものに

ワールド

米共和党の州知事、州投資機関に中国資産の早期売却命

ビジネス

米、ロシアのガスプロムバンクに新たな制裁 サハリン
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:超解説 トランプ2.0
特集:超解説 トランプ2.0
2024年11月26日号(11/19発売)

電光石火の閣僚人事で世界に先制パンチ。第2次トランプ政権で次に起きること

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 2
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋トレに変える7つのヒント
  • 3
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対する中国人と日本人の反応が違う
  • 4
    北朝鮮は、ロシアに派遣した兵士の「生還を望んでい…
  • 5
    Netflix「打ち切り病」の闇...効率が命、ファンの熱…
  • 6
    NewJeans生みの親ミン・ヒジン、インスタフォローをす…
  • 7
    元幼稚園教諭の女性兵士がロシアの巡航ミサイル「Kh-…
  • 8
    【ヨルダン王室】生後3カ月のイマン王女、早くもサッ…
  • 9
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」…
  • 10
    プーチンはもう2週間行方不明!? クレムリン公式「動…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査を受けたら...衝撃的な結果に「謎が解けた」
  • 3
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り捨てる」しかない理由
  • 4
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 5
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 6
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 7
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対す…
  • 8
    アインシュタイン理論にズレ? 宇宙膨張が示す新たな…
  • 9
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋…
  • 10
    クルスク州の戦場はロシア兵の「肉挽き機」に...ロシ…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 3
    外来種の巨大ビルマニシキヘビが、シカを捕食...大きな身体を「丸呑み」する衝撃シーンの撮影に成功
  • 4
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 5
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 6
    北朝鮮兵が味方のロシア兵に発砲して2人死亡!? ウク…
  • 7
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 8
    足跡が見つかることさえ珍しい...「超希少」だが「大…
  • 9
    モスクワで高層ビルより高い「糞水(ふんすい)」噴…
  • 10
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中