最新記事

音楽フェス

英・音楽フェスで4700人が感染、デルタ株亜種「フェスティバル株」が発生?

2021年9月7日(火)17時23分
松丸さとみ

フェス参加条件は陰性/ワクチン接種の証明だったが......

コーンウォール自治体は、ボードマスターズをキャンセルすることも考えたものの、自治体と主催者が密に連携し、可能な限り安全に開催した、と英ガーディアン紙に述べた。

ボードマスターズの公式ウェブサイトによると、フェスティバル参加の条件は、「24時間以内に行ったラテラルフローテストでの陰性」「2回のワクチン接種完了」「PCR検査で陽性判定が出てから10日以上経過して自然免疫保有」のいずれかの証明を入場ゲートにて提示することだった。マスク着用は奨励されていたものの、義務ではなかった。

フェスティバル会場内でキャンプをする人は、開催期間中にもラテラルフローテストを受けることが求められた。米フォーブス誌によると、こうした証明を提示できずに入場を断られた人や、イベント中に退場を求められた人は450人以上に上ったという。

なお、ラテラルフローテストとは迅速かつ手軽な新型コロナウイルス検査で、英政府は精度99.9%としている。これを定期的に受ければ、たとえ無症状でも感染が確認できるため、英政府はイングランド地域の住民を対象に、毎週2回受けられるよう検査キットを無料で配布している。

フォーブスは、ボードマスターズを「今年行われたイベントの中でも世界屈指のスーパースプレッダー・イベントになった」と報じている。こうしたイベントが、世界中でパンデミック拡大の要因になっていると指摘。米国でも、8月末にサウスダコタで行われたバイクのイベントが原因で、同地域での新型コロナ入院者数が3倍に跳ね上がったという。

とはいえ、英政府は4月~7月、屋内と屋外合わせて30以上の大型イベントを対象に、実証実験を実施しており、大人数が集まるイベントでの感染率は、国内全体のものとほぼ変わらなかったため、適切な対策を講じれば「イベントは安全に行える」との結論を8月20日に発表している。

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

トランプ氏、米軍制服組トップ解任 指導部の大規模刷

ワールド

アングル:性的少数者がおびえるドイツ議会選、極右台

ワールド

アングル:高評価なのに「仕事できない」と解雇、米D

ビジネス

米国株式市場=3指数大幅下落、さえない経済指標で売
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:ウクライナが停戦する日
特集:ウクライナが停戦する日
2025年2月25日号(2/18発売)

ゼレンスキーとプーチンがトランプの圧力で妥協? 20万人以上が死んだ戦争が終わる条件は

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン化」の理由
  • 3
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される【最新研究】
  • 4
    1888年の未解決事件、ついに終焉か? 「切り裂きジャ…
  • 5
    飛行中の航空機が空中で発火、大炎上...米テキサスの…
  • 6
    ソ連時代の「勝利の旗」掲げるロシア軍車両を次々爆…
  • 7
    私に「家」をくれたのは、この茶トラ猫でした
  • 8
    動かないのに筋力アップ? 88歳医大名誉教授が語る「…
  • 9
    【クイズ】世界で1番マイクロプラスチックを「食べて…
  • 10
    ビタミンB1で疲労回復!疲れに効く3つの野菜&腸活に…
  • 1
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」だった?...高濃度で含まれる「食べ物」に注意【最新研究】
  • 2
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される【最新研究】
  • 3
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ...犠牲者急増で、増援部隊が到着予定と発言
  • 4
    人気も販売台数も凋落...クールなEVテスラ「オワコン…
  • 5
    動かないのに筋力アップ? 88歳医大名誉教授が語る「…
  • 6
    朝1杯の「バターコーヒー」が老化を遅らせる...細胞…
  • 7
    7年後に迫る「小惑星の衝突を防げ」、中国が「地球防…
  • 8
    墜落して爆発、巨大な炎と黒煙が立ち上る衝撃シーン.…
  • 9
    ビタミンB1で疲労回復!疲れに効く3つの野菜&腸活に…
  • 10
    「トランプ相互関税」の範囲が広すぎて滅茶苦茶...VA…
  • 1
    週刊文春は「訂正」を出す必要などなかった
  • 2
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 3
    【一発アウト】税務署が「怪しい!」と思う通帳とは?
  • 4
    口から入ったマイクロプラスチックの行く先は「脳」…
  • 5
    「健康寿命」を延ばすのは「少食」と「皮下脂肪」だ…
  • 6
    1日大さじ1杯でOK!「細胞の老化」や「体重の増加」…
  • 7
    がん細胞が正常に戻る「分子スイッチ」が発見される…
  • 8
    戦場に「北朝鮮兵はもういない」とロシア国営テレビ.…
  • 9
    有害なティーバッグをどう見分けるか?...研究者のア…
  • 10
    世界初の研究:コーヒーは「飲む時間帯」で健康効果…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中