英・音楽フェスで4700人が感染、デルタ株亜種「フェスティバル株」が発生?
フェス参加条件は陰性/ワクチン接種の証明だったが......
コーンウォール自治体は、ボードマスターズをキャンセルすることも考えたものの、自治体と主催者が密に連携し、可能な限り安全に開催した、と英ガーディアン紙に述べた。
ボードマスターズの公式ウェブサイトによると、フェスティバル参加の条件は、「24時間以内に行ったラテラルフローテストでの陰性」「2回のワクチン接種完了」「PCR検査で陽性判定が出てから10日以上経過して自然免疫保有」のいずれかの証明を入場ゲートにて提示することだった。マスク着用は奨励されていたものの、義務ではなかった。
フェスティバル会場内でキャンプをする人は、開催期間中にもラテラルフローテストを受けることが求められた。米フォーブス誌によると、こうした証明を提示できずに入場を断られた人や、イベント中に退場を求められた人は450人以上に上ったという。
なお、ラテラルフローテストとは迅速かつ手軽な新型コロナウイルス検査で、英政府は精度99.9%としている。これを定期的に受ければ、たとえ無症状でも感染が確認できるため、英政府はイングランド地域の住民を対象に、毎週2回受けられるよう検査キットを無料で配布している。
フォーブスは、ボードマスターズを「今年行われたイベントの中でも世界屈指のスーパースプレッダー・イベントになった」と報じている。こうしたイベントが、世界中でパンデミック拡大の要因になっていると指摘。米国でも、8月末にサウスダコタで行われたバイクのイベントが原因で、同地域での新型コロナ入院者数が3倍に跳ね上がったという。
とはいえ、英政府は4月~7月、屋内と屋外合わせて30以上の大型イベントを対象に、実証実験を実施しており、大人数が集まるイベントでの感染率は、国内全体のものとほぼ変わらなかったため、適切な対策を講じれば「イベントは安全に行える」との結論を8月20日に発表している。