最新記事

経済制裁

北朝鮮、非核化協議再開へ貿易制裁解除を要求 燃料・金属のほか高級酒やスーツなども

2021年8月4日(水)10時37分
北朝鮮の国旗

北朝鮮は、米国との非核化協議再開に向け、金属輸出や精製燃料など必需品の輸入を禁じた国際的な制裁の解除を求めている。写真は北朝鮮の旗。ジュネーブで2017年6月撮影(2021年 ロイター/Pierre Albouy)

北朝鮮は、米国との非核化協議再開に向け、金属輸出や精製燃料など必需品の輸入を禁じた国際的な制裁の解除を求めている。韓国情報当局の説明を受けた同国の議員らが3日、明らかにした。

高級酒やスーツなど高級品の輸入に関する制裁の緩和も求めているという。

北朝鮮と韓国は1週間前、北朝鮮が約1年前に遮断した南北間のホットライン(直通電話回線)を再開した。

韓国の議員らは、北朝鮮の金正恩朝鮮労働党総書記と韓国の文在寅大統領が4月以降、信頼関係を再構築して関係を改善する意思を共有しており、金総書記がホットラインの再開を求めたと述べた。

また、北朝鮮は新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)による影響や悪天候で経済が打撃を受け、約100万トンのコメを必要としているという。

米国はいかなる協議の前にも制裁を緩和させる意図は示していない。国務省のプライス報道官は前日、ブリンケン国務長官が週内に開かれる東南アジア諸国の外相とのテレビ会議形式の会合で、北朝鮮に対する制裁措置を完全に実施するよう呼び掛けると表明。この日は、米国には北朝鮮と前提条件を設定せずに協議する用意があるが、北朝鮮側から反応がないと述べた。

別の国務省報道官は「いかなる取り組みもなされない中、国連による対北朝鮮制裁は維持され、米国は国際社会と共にこれを順守し続ける」と述べた。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2021トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・高級ホテルのWi-Fiはなぜ危険? 北朝鮮ハッカーの手口と防御策
・中国共産党100周年、北朝鮮を「お手本」にした習近平の未来は危うい
・北朝鮮の超エリート学院でコロナ感染、「赤い貴族」少年が集団死していた


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

アングル:保護政策で生産力と競争力低下、ブラジル自

ワールド

焦点:アサド氏逃亡劇の内幕、現金や機密情報を秘密裏

ワールド

米、クリミアのロシア領認定の用意 ウクライナ和平で

ワールド

トランプ氏、ウクライナ和平仲介撤退の可能性明言 進
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプショック
特集:トランプショック
2025年4月22日号(4/15発売)

大規模関税発表の直後に90日間の猶予を宣言。世界経済を揺さぶるトランプの真意は?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    しゃがんだ瞬間...「えっ全部見えてる?」ジムで遭遇した「透けレギンス」投稿にネット騒然
  • 2
    「生はちみつ」と「純粋はちみつ」は何が違うのか?...「偽スーパーフード」に専門家が警鐘
  • 3
    【クイズ】売上高が世界1位の「半導体ベンダー」はどこ? ついに首位交代!
  • 4
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
  • 5
    【渡航注意】今のアメリカでうっかり捕まれば、裁判…
  • 6
    「2つの顔」を持つ白色矮星を新たに発見!磁場が作る…
  • 7
    「100歳まで食・酒を楽しもう」肝機能が復活! 脂肪…
  • 8
    300マイル走破で足がこうなる...ウルトラランナーの…
  • 9
    『職場の「困った人」をうまく動かす心理術』は必ず…
  • 10
    今のアメリカは「文革期の中国」と同じ...中国人すら…
  • 1
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜け毛の予防にも役立つ可能性【最新研究】
  • 2
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ? 1位は意外にも...!?
  • 3
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最強” になる「超短い一言」
  • 4
    しゃがんだ瞬間...「えっ全部見えてる?」ジムで遭遇…
  • 5
    あなたには「この印」ある? 特定の世代は「腕に同じ…
  • 6
    パニック発作の原因とは何か?...「あなたは病気では…
  • 7
    中国はアメリカとの貿易戦争に勝てない...理由はトラ…
  • 8
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 9
    動揺を見せない習近平...貿易戦争の準備ができている…
  • 10
    【渡航注意】今のアメリカでうっかり捕まれば、裁判…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 3
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山ダムから有毒の水が流出...惨状伝える映像
  • 4
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛…
  • 5
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 6
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 7
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 8
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 9
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 10
    「低炭水化物ダイエット」で豆類はNG...体重が増えな…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中