最新記事

東京五輪

強権国家ベラルーシの女子陸上選手 強制帰国を拒否、保護を求める

Belarus Sprinter Says She Was Forcibly Removed From Olympics for Criticizing Coaches

2021年8月2日(月)16時26分
ナタリー・コロロッシ

チマノウスカヤは現在、強制帰国を避けるために政治亡命を求めており、警察の保護下にある。

動画での訴えを受けて、ベラルーシ国内オリンピック委員会は8月1日、チマノウスカヤは「感情的および心理的状態」のために大会から撤退したと発表した。

委員会は声明で「医師の判断に基づき、陸上競技チームのコーチングスタッフは、ベラルーシの陸上選手クリスチナ・チマノウスカヤの感情的および精神的状態の問題で、東京五輪における出場停止を決めた」と説明し、「したがって、陸上女子200メートルの予選と1600メートルリレーへの同選手の参加の申請は撤回された」と付け加えた。

本誌が1日にIOCにコメントを求めたところ、チマノウスカヤは羽田空港で警察に保護され、東京五輪スタッフに付き添われているという返答があった。

「自分は安全だと感じている、と彼女は言った」とIOCは明かした。「IOCと東京五輪委員会は、今後数日で今後の方策を決定するために、チマノウスカヤおよび当局と協議を続ける」

8月2日の日本の報道によると、チマノウスカヤが陸上コーチから競技から撤退するよう圧力を受ける様子が録画されていた。帰国すれば投獄の恐れがあるとして、チマノウスカヤはドイツなど欧州への政治亡命を求めているという。



20240423issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2024年4月23日号(4月16日発売)は「老人極貧社会 韓国」特集。老人貧困率は先進国最悪。過酷バイトに食料配給……繫栄から取り残され困窮する高齢者は日本の未来の姿

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米国連大使が板門店訪問、北朝鮮擁護やめるよう中ロに

ビジネス

資産運用会社、過去2年余りで最も強気=BofA月例

ビジネス

中独首脳会談、習氏「戦略的観点で関係発展を」 相互

ビジネス

アングル:輸入企業の為替管理に狂い、迫られるリスク
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:老人極貧社会 韓国
特集:老人極貧社会 韓国
2024年4月23日号(4/16発売)

地下鉄宅配に古紙回収......繁栄から取り残され、韓国のシニア層は貧困にあえいでいる

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1

    天才・大谷翔平の足を引っ張った、ダメダメ過ぎる「無能の専門家」の面々

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    攻撃と迎撃の区別もつかない?──イランの数百の無人機やミサイルとイスラエルの「アイアンドーム」が乱れ飛んだ中東の夜間映像

  • 4

    大半がクリミアから撤退か...衛星写真が示す、ロシア…

  • 5

    ハリー・ポッター原作者ローリング、「許すとは限ら…

  • 6

    キャサリン妃は最高のお手本...すでに「完璧なカーテ…

  • 7

    韓国の春に思うこと、セウォル号事故から10年

  • 8

    中国もトルコもUAEも......米経済制裁の効果で世界が…

  • 9

    中国の「過剰生産」よりも「貯蓄志向」のほうが問題.…

  • 10

    アインシュタインはオッペンハイマーを「愚か者」と…

  • 1

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 2

    NASAが月面を横切るUFOのような写真を公開、その正体は

  • 3

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入、強烈な爆発で「木端微塵」に...ウクライナが映像公開

  • 4

    NewJeans、ILLIT、LE SSERAFIM...... K-POPガールズグ…

  • 5

    ドイツ空軍ユーロファイター、緊迫のバルト海でロシ…

  • 6

    犬に覚せい剤を打って捨てた飼い主に怒りが広がる...…

  • 7

    ロシアの隣りの強権国家までがロシア離れ、「ウクラ…

  • 8

    金価格、今年2倍超に高騰か──スイスの著名ストラテジ…

  • 9

    ドネツク州でロシアが過去最大の「戦車攻撃」を実施…

  • 10

    「もしカップメンだけで生活したら...」生物学者と料…

  • 1

    人から褒められた時、どう返事してますか? ブッダが説いた「どんどん伸びる人の返し文句」

  • 2

    韓国で「イエス・ジャパン」ブームが起きている

  • 3

    88歳の現役医師が健康のために「絶対にしない3つのこと」目からうろこの健康法

  • 4

    ロシアの迫撃砲RBU6000「スメルチ2」、爆発・炎上の…

  • 5

    バルチック艦隊、自国の船をミサイル「誤爆」で撃沈…

  • 6

    ロシアが前線に投入した地上戦闘ロボットをウクライ…

  • 7

    巨匠コンビによる「戦争観が古すぎる」ドラマ『マス…

  • 8

    「燃料気化爆弾」搭載ドローンがロシア軍拠点に突入…

  • 9

    1500年前の中国の皇帝・武帝の「顔」、DNAから復元に…

  • 10

    浴室で虫を発見、よく見てみると...男性が思わず悲鳴…

日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中