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デモ南アフリカ、前大統領収監への抗議活動が暴徒化 略奪や放火が横行
南アフリカで、ズマ前大統領(79)の収監に端を発した抗議活動が全土に拡大し、商店の略奪や警察への投石などの暴力行為が発生している。写真は南ア・ピースベールで道をふさぐ抗議者ら。9日撮影(2021年 ロイター/Rogan Ward)
南アフリカで、ズマ前大統領(79)の収監への抗議活動に端を発した暴動が全国に広がり、暴徒化したデモ隊が各地で警察と衝突し、ショッピングモールでの略奪や放火が横行している。過去数年で最も激しい暴動となっている。
治安当局によると、暴力や略奪行為はズマ前大統領の出身地クワズール・ナタール州や、最大都市ヨハネスブルクを擁するハウテン州、東部の港湾都市ダーバンに広がっており、政府はさらなる拡大を食い止めようとしている。
警察当局は13日遅く、過去数日の混乱で72人が死亡し、1234人が拘束されたと明らかにした。
警察は数で勝る暴徒を抑えきれず、治安悪化が深刻な地域には同日、軍兵士が配置された。高速道路には装甲兵員輸送車の車列ができた。
ハウテン州首相は、州内のショッピングモールでの暴動後、10人の遺体が12日夜に発見されたと発表した。海上物流のハブであるダーバンでは数百人の暴徒が倉庫やスーパーマーケットを襲った。
南アフリカの通貨ランドは13日に3カ月ぶり安値を更新、株式市場では国内経済の見通しに大きな影響を受ける銀行、不動産、小売関連株が急落した。
ロイターの記者は、小売店舗やガソリンスタンドが閉鎖を余儀なくされる一方で、デモ隊が警察に投石し、警察がゴム弾で応じるのを目撃した。
ラマポーザ大統領は12日夜の演説で「われわれが今目撃しているのは、略奪や窃盗の隠れみのとして混乱をあおる集団による、抗議に便乗した犯罪行為だ」と非難した。
ただ、マピサヌカクラ国防相は13日、非常事態宣言はまだ発出すべきではないとの見方を示した。
ズマ氏が設立した財団は、同氏が釈放されるまでは平和は戻らないと訴えた。
南アでは新型コロナウイルス感染拡大を抑制するための経済・社会活動の厳しい制限で貧困が拡大し、失業者が増加。今年1─3月の失業率は過去最悪の32.6%となった。保健当局は、暴動の影響を受けた一部のコロナワクチン接種会場の閉鎖を余儀なくされたと明らかにした。
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