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南米ブラジル、ワクチン調達に新たな汚職疑惑 ボルソナロ弾劾求める声も
ブラジルのボルソナロ大統領は6月30日、新型コロナウイルスワクチン購入契約交渉で賄賂を求めたと報じられた保健省の高官を解任した。ブラジリアで29日撮影(2021年 ロイター/Adriano Machado)
ブラジルのボルソナロ大統領は30日、新型コロナウイルスワクチン購入契約交渉で賄賂を求めたと報じられた保健省の高官を解任した。これとは別に、インドのバーラト・バイオテックのワクチン調達を巡る汚職疑惑も浮上しており、大統領の弾劾を求める声が上がっている。
ロイターが確認した資料によると、連邦検察および警察当局は同日、バーラト製ワクチン購入契約に関する刑事捜査を開始。保健省の当局者やボルソナロ派の議員らが同社製ワクチン調達に向け、通常より前倒しで認可審査を行い、過剰な対価を支払うよう仕向けた疑いが出ている。ブラジルでは50万人以上がコロナ感染で死亡しており、ワクチン接種の遅れに市民の不満が高まっている。
超党派の議員や市民団体、弁護士らは同日、ボルソナロ氏の弾劾を求める請願書を議会に共同で提出。これまでに同様の請願書が100件以上提出されているが、議会の下院議長は対応を見送ってきた。
ボルソナロ氏とバーラト社は不正を否定。ボルソナロ氏は汚職疑惑を巡る上院の調査について「われわれに触れることはできない」と述べてけん制した。
保健省の物流管理担当責任者、ロベルト・フェレイラ・ディアス氏の解任についてはコメントしなかった。
ブラジル政府は29日、バーラトとの新型コロナワクチン購入契約を停止。契約額は16億レアル(3億2100万ドル)に上る。保健当局は30日に、同ワクチンの緊急使用許可を停止した。ワクチン販売を受託した会社が提出した資料に不備があったとの理由を挙げた。
現地紙フォーリャ・デ・サンパウロは29日遅く、医療用品会社の関係者の話として、ディアス氏が会食の席でこれとは別の4億回分のワクチン発注を交渉した際、1回分につき1ドルの賄賂を求めたと報じた。
保健省はディアス氏の解任は29日午前に決まったと説明したが、疑惑には言及しなかった。ディアス氏からコメントは得られていない。
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