フィリピン独立記念日に燃え上がる反中感情
China's 'Outrageous' South China Sea Moves Slammed in Philippines Independence Day Protests
フィリピン独立記念日にマニラの中国大使館前で行われた抗議デモ ABS-CBN News-YouTube
<「フィリピン海」の領有を主張し、海上民兵を送り込み、サンゴ礁で石油の掘削まで始めた中国と弱腰のドゥテルテに対し、激しい抗議デモが行われた>
フィリピンがスペインの植民地支配から独立して123年目の独立記念日を迎えた6月12日、一部の人々は祝典に参加する代わりに、首都マニラにある在フィリピン中国大使館前に集結し、南シナ海における中国の活動に抗議した。
農家の女性を支援する団体アミハンのゼナイダ・ソリアーノ議長は、独立記念日は「植民地主義者と外国の抑圧に対する国を挙げての戦いがフィリピンの歴史の基本であることを思い起こさせるイベントだ」と語った。
中国は南シナ海の大部分を中国のものと主張しており、そのなかにはフィリピンが領有を主張する部分も含まれている。
「私たちは本当に自由で独立しているわけではない。国の経済、政治、文化、生活様式に対する外国の支配は続いている」と、フィリピン農民運動(KMP)は声明を出した。
今年3月、西フィリピン海(南シナ海の一部についてフィリピンが使用する呼称)のためのフィリピン国家タスクフォースは、南シナ海の南沙(スプラトリー)諸島にあるブリアン・フェリペ礁で中国の海上民兵(中国軍の関与が疑われる集団)が乗船しているとみられる中国船200隻以上を発見した。タスクフォースは、これらの船舶は漁船に過ぎないという報告を受けたことを確認したが、どれも「実際の漁業活動」の兆候を示していないと報告した。
ドゥテルテの弱腰にも批判
フィリピンは外交ルートを通じて中国に抗議し、中国は船が軍事的な性格のものだという主張をすべて否定した。
「主張されているような中国の海上民兵は存在しない」と、マニラの中国大使館は声明を出した。「そのような憶測は、不必要な刺激を引き起こす以外に何の役にも立たない。この状況が客観的かつ合理的な方法で処理されることを期待する」
中国大使館の言い分は激しい反発を引き起こし、ここ数カ月間、中国とフィリピンの間で緊張が高まっている。フィリピンの経済団体は中国の撤退を求め、フィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ大統領はこの件について沈黙を守っていることで、かなり批判されている。
「ドゥテルテ政権が西フィリピン海における中国の違法行為を積極的に認めたことは、過去、現在、未来のフィリピン人に対するとんでもない侮辱だ」と、ソリアーノは述べた。
ドゥテルテ大統領は2016年に、中国の習近平国家主席との合意で、中国漁船がフィリピン海域で漁をすることを認めた。ドゥテルテの顧問は、そのような口頭での合意がなされているという報道を否定した。
最後の一撃となったのは、手を出さない約束だったはずのサンゴ礁で中国が石油を掘削し始めたことだ。中国が事後に記者会見で発表した。
中国外務省の汪文斌報道官はフィリピンの対応に関して記者会見でこう語った。「中国の主権と権利と利益を尊重することと、状況を複雑にし、紛争をエスカレートさせる行動を止めるよう強く求める」
これに対し、フィリピン国防省は「中国はフィリピンに自国の海域で何ができるか、何ができないかを伝える権利はない」という声明を発表した。