BTSだけじゃない! 中国を怒らせた「出禁」セレブたち
China’s Blacklisted Celebs
中国がおとなしくさせたい有名人はまだいる。
プロレスラーで俳優のジョン・シナはこの5月、台湾は出演作『ワイルド・スピード/ジェットブレイク』が公開される最初の「国」だと発言して炎上した。「一つの中国」政策への非難と受け止めた中国当局が憤慨し、シナはすぐに降参。中国のSNS微博に中国語で謝罪する動画を投稿し、中国と中国国民への「愛と敬意」を繰り返し強調した。
歌手のケイティ・ペリーも台湾支持派と見なされて問題に。ペリーは15年の台北公演で、ヒマワリ(前年に台湾で起きた抗議運動のシンボル)をモチーフにしたドレスを着用し、台湾の旗をケープのように羽織った。
その後、17年に上海で開催された米ビクトリアズ・シークレットのファッションショーに登場予定だったペリーはビザを申請したものの却下され、「無期限入国禁止」措置の対象と告げられた。
あの世界的歌手も大物監督も排除
歌手・女優のセレーナ・ゴメスは16年、中国への入国が許可されず、広州と上海で予定されていたコンサートをキャンセルした。原因は、14年にダライ・ラマと対面した際の画像をソーシャルメディアに投稿したことだ。
アイスランド出身のシンガーソングライター、ビョークは中国にとって「国家主権」に対する脅威だ。08年の上海公演で、「ディクレア・インディペンデンス(独立を宣言せよ)」と題された曲のパフォーマンス中、ビョークは「チベット!」と連呼。当然ながら中国文化部は即座に、民族間憎悪の扇動を目的とする違法行為と非難した。
モデルのジジ・ハディドも、17年の上海でのビクトリアズ・シークレットのショーに出られなかった。アジア人の顔をかたどった菓子を手にして目を細める動画が出回ったためだ。文化的に極めて無神経(どころか、明らかに人種差別的)な行為とはいえ、中国は対話を図るのでなく、ハディドを締め出すのが一番だと判断したらしい。
中国政府は既に97年の時点で、自国の目標に反対していると見なした欧米の著名人の排除を開始していた。映画監督マーティン・スコセッシはダライ・ラマの半生を描いた『クンドゥン』のせいで、中国の「ブラックリスト」に登録された。同作の脚本を手掛けたメリッサ・マシスン、マシスンの夫だった俳優ハリソン・フォードも同じ目に遭った。
当時、中国はこうしたリストの存在を否定しようとした。だが最近は、はるかに大っぴらに禁止措置を取っている。
もし筆者がほんの少しでも有名なら、この記事を書いたというだけで中国から出禁を食らいそう......。
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