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ボスニアが、世界各国から極右が集まるホットスポットになった訳

2021年4月6日(火)18時05分
ヒクメット・カルチッチ
米極右集会で衝突するRAMメンバー(2017年)

米極右集会で衝突するRAMメンバー(2017年) JASON ANDREWーREDUX/AFLO

<欧州全体で難民やイスラムへの反感が強まるなかで、ボスニア・ヘルツェゴビナが世界の極右を引き付けている>

最近セルビアを退去処分になり、隣国ボスニア・ヘルツェゴビナに入国したある人物を、当局が追っているという。アメリカのネオナチで、極右団体「ライズ・アバブ・ムーブメント(RAM)」創設者のロバート・ルンドだ。

ここ数年で、ボスニアは世界の極右過激主義者を引き付けるホットスポットと化している。過去20年ほど、脆弱な中央政府の下で治安当局がイスラム過激派対策ばかりに注力するなか、極右は着々と影響力を強めてきた。近年では、トランプ前米大統領の元側近スティーブ・バノンからオーストリアの自由党まで、数々の極右、移民排斥主義者が同国を訪れている。

約半世紀にわたった共産党支配とボスニア・ヘルツェゴビナ紛争を経て、同国ではエスノナショナリズム(国家と民族を同一視するナショナリズム)が力を増し、近年の移民危機やイスラム嫌悪で支持を拡大。ロシアやギリシャなど各国を追われた犯罪的なネオナチも潜伏しているという。

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