最新記事

香港

アップルデイリー創業者ら香港民主派7人、無許可集会で有罪 19年デモ巡り

2021年4月2日(金)09時07分

香港の裁判所は1日、現地紙・蘋果日報(アップル・デイリー)の創業者、黎智英(ジミー・ライ)氏や弁護士の李柱銘(マーティン・リー)氏ら民主派7人に対し、無許可集会などの罪で有罪を言い渡した。写真は香港の裁判所に到着した元議員で弁護士の李柱銘(マーティン・リー)氏(左)。1日撮影(2021年 ロイター/TYRONE SIU)

香港の裁判所は1日、現地紙・蘋果日報(アップル・デイリー)の創業者、黎智英(ジミー・ライ)氏や弁護士の李柱銘(マーティン・リー)氏ら民主派7人に対し、無許可集会などの罪で有罪を言い渡した。

李氏は1990年代に民主党創設に寄与し、香港の「民主派の父」と呼ばれる。2019年8月18日に行われたデモを巡り、無許可集会に参加した罪に問われた。

判事は「無許可集会となった集まりを全被告が共に組織したと、検察は合理的疑いの余地なく立証した」との判断を示した。被告らは無許可集会への故意の参加でも有罪となった。

このほか有罪判決を受けたのは民主派重鎮の李卓人氏や梁国雄氏ら。

量刑は最大で禁錮5年。後日言い渡される見通しだが、一部の専門家は禁錮12─18月を予想している。

弁護側は裁判で、集会の自由は憲法で保障された権利だと主張。また、香港中心部ビクトリア公園での平和的なデモの許可を警察から得ていたとした上で、参加者が急増した結果として無許可のデモ行進に発展したと説明した。

これに対し検察側は、香港では集会の自由は絶対的な権利ではないと主張した。

香港当局が民主派への締め付けを強める中、西側諸国などは李氏らの逮捕を非難してきた。これとは別に、香港国家安全維持法(国安法)違反で民主派47人が起訴されており、多くは保釈が認められていない。

米ホワイトハウスのサキ報道官は、「中国政府が香港の自由を侵害し、英中共同宣言の国際義務に反する新たな例」だとし、国務省のプライス報道官も「引き続き中国と香港の当局の責任を問うていく」と語った。

*内容を追加しました。



[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2021トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・新型コロナが重症化してしまう人に不足していた「ビタミン」の正体
・世界の引っ越したい国人気ランキング、日本は2位、1位は...



今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

ルペン氏の有罪判決「非常に大きな問題」、トランプ氏

ビジネス

アングル:カナダで広がる国産品購入運動、米消費関連

ビジネス

米追加関税、対策に万全期す 全国1000カ所に特別

ビジネス

完全失業率2月は2.4%、5カ月ぶり改善 求人倍率
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:引きこもるアメリカ
特集:引きこもるアメリカ
2025年4月 8日号(4/ 1発売)

トランプ外交で見捨てられ、ロシアの攻撃リスクにさらされるヨーロッパは日本にとって他人事なのか?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 2
    ガムから有害物質が体内に取り込まれている...研究者が警鐘【最新研究】
  • 3
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 4
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「…
  • 5
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
  • 6
    磯遊びでは「注意が必要」...6歳の少年が「思わぬ生…
  • 7
    8日の予定が286日間に...「長すぎた宇宙旅行」から2…
  • 8
    3500年前の粘土板の「くさび形文字」を解読...「意外…
  • 9
    メーガン妃のパスタ料理が賛否両論...「イタリアのお…
  • 10
    なぜ「猛毒の魚」を大量に...アメリカ先住民がトゲの…
  • 1
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き詰った「時代遅れ企業」の行く末は?【アニメで解説】
  • 2
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 3
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山ダムから有毒の水が流出...惨状伝える映像
  • 4
    【独占】テスラ株急落で大口投資家が本誌に激白「取…
  • 5
    800年前のペルーのミイラに刻まれた精緻すぎるタトゥ…
  • 6
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「…
  • 7
    ガムから有害物質が体内に取り込まれている...研究者…
  • 8
    一体なぜ、子供の遺骨に「肉を削がれた痕」が?...中…
  • 9
    「この巨大な線は何の影?」飛行機の窓から撮影され…
  • 10
    現地人は下層労働者、給料も7分の1以下...友好国ニジ…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアでも販売不振の納得理由
  • 3
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 4
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 5
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 6
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 7
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 8
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 9
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 10
    【クイズ】アメリカを貿易赤字にしている国...1位は…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中