飛行機内・ホテル廊下で感染連鎖、わずか85分の国内線でも:NZ調査
それ以来数ヶ月にわたり、ホテル内の感染ルートはミステリーとされてきた。しかし、今年3月になって、説得力のある新説が登場することになる。アウトブレイクの経緯を追ったアイヒラー医師たちが、ホテルの廊下を通じてウイルスが流入した可能性が高いことを突き止めたのだ。
隔離生活の12日目、Cは自室内のドア付近でPCR検査を受けている。後に陽性と判定される、まさにその検査だ。検査担当者はCの部屋を出るとドアを閉め、廊下の監視カメラの映像によると50秒後に、D・Eの部屋を訪れた。比較的短い時間の間に双方のドアが開閉されたことで、廊下を経由してエアロゾル感染ないしは空気感染が起きたとアイヒラー医師たちは考えた。
現場を検証したところ、Cが宿泊していた部屋は廊下よりもわずかに気圧が高くなっており、室内の空気が廊下側へ流出しやすい状態となっていたことが確認された。ニュージーランド国民を戸惑わせたミステリーは、こうしておよそ半年の時を経て決着を見た。
本件はニュージーランド国外でも報じられている。米CNNは、「患者を隔離する努力にもかかわらず、問題のコロナウイルスは、国際線、ホテルの廊下、そして家庭での接触へと拡がった」と総括している。保健省が追跡と封じ込めに失敗していれば、市中感染に至っていた可能性も否めない。旅客機にホテル廊下にと、旅行にまつわるリスクを改めて示す形となった。