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東日本大震災10年

3.11被災地を取材し続けてきた櫻井翔が語る「記憶」とずるさ、喜び

SHO ON SHO

2021年3月9日(火)07時00分
小暮聡子(本誌記者)

――何度か除染作業を手伝うなど、福島に取材に行くことが多いようだ。

もう、役場の人とも仲良くなっちゃって(笑)。取材が終わった後に、役場の人とご飯を食べる店とかも決まってきた。半ば、会いたくて行っているところもある。

――10年間の取材を通して、うれしかったことはあるか。

やっぱり、出会いと、出会った人たちの成長を知るとき。24時間テレビで僕と一番向き合ってくれた高校生の男の子が、新聞を見ていたら成人式の日に地元で代表の挨拶をしたと知ったときや、除染作業で伺ったお宅の子がご結婚されていたりとか。出会いの分だけ、出会った人たちのその後に明るい未来が待っていた、というのがうれしい。

――10年に際しての率直な思いを。

こんなことを言ったら元も子もないのだろうが、やっぱり、節目も区切りも、きっと当事者にとってはない。9年目や11年目と何ら変わらない10年目だとは思う。僕らの役割としては、変わらず来年も再来年も、伝え続けていくということだけなのかなと思っている。

<2021年3月16日号「3.11の記憶 東日本大震災から10年」特集より>

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