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中東イラン、バイデンに経済制裁解除要求 コロナ禍で状況切迫
イラン政府は26日、米国の対イラン制裁が新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)対策を妨害していると述べ、バイデン米大統領に対イラン制裁を解除するように求めた。テヘランで昨年12月撮影(2021年 ロイター/WANA NEWS AGENCY)
イラン政府は26日、米国の対イラン制裁が新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)対策を妨害していると述べ、バイデン米大統領に対イラン制裁を解除するように求めた。
イランはまた、ロシアが開発した新型コロナワクチン「スプートニクV」を国内使用のために承認したと明らかにした。製薬アストラゼネカやその他の企業からもワクチンを調達する考えを示した。
トランプ米前大統領が復活させた対イラン制裁は、正式には食品と医薬品、その他の人道的救援物資を対象外としているが、イラン国外の銀行の多くがイランとの取り引きを阻止されている。
イラン政府のアリ・ラビエ報道官は国営テレビで「バイデン米政権は前政権のような反科学主義ではないと主張している。新型コロナと闘い、国民の健康と食料を確保するために、イランの外貨資源取引や銀行への速やかな制裁解除を認めるよう期待する」と話した。制裁を解除しなければ、国際原子力機関(IAEA)が短期的な通知で実施する検証活動を妨害すると警告した。
トランプ前大統領は18年、イランの核関連活動を大きく制限する見返りに関連の制裁を解除する多国間の取り決めである15年のイラン核合意から離脱し、制裁を復活させた。
一方、モスクワ訪問中のイランのザリフ外相は26日、イランがスプートニクVを輸入・生産する予定だと話した。
イランの保健次官は国営テレビで、ワクチン購入先として検討している国外企業の一つに「スウェーデンのアストラゼネカ」を挙げた。アストラゼネカの英国とのつながりには触れなかった。イランの最高指導者ハメネイ師は米英製ワクチンの調達を禁じている。米英製のワクチンは信用できず、他国にコロナウイルスを広めるために利用されている可能性があると主張している。
ロウハニ大統領は23日、向こう数週間でワクチン接種を始めると話した。
イランは先月末、国内で開発している3種類のコロナワクチン候補の一つについて臨床試験を開始。米制裁によってワクチン輸入に支障が出ているものの、新型コロナとの闘いに勝つことができる可能性があるとしている。
イランはまた、新型コロナワクチンの公平な供給を目的とした国際的な枠組み「COVAX」に参加している。
政府のデータによるとイランの新型コロナ感染数は約139万人。死者数は5万7560人。ただ、ここ数週間は新規感染と死者数の伸びが鈍化している。
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