フロリダ紙社説、トランプのためなら国を害することも厭わない候補者を選挙で推薦したことを「痛恨のミス」と謝罪
Florida Paper Apologizes for Endorsing Rep. Who Wants to Overturn Election
大統領選に勝ったのはトランプと唱える集会で、トランプの物まねをする参加者(2020年12月12日) Jim Urquhart -REUTERS
<アメリカの民主主義を破壊する試みに加担するような人間と見抜けなかったことを読者に詫びる>
フロリダ州の大手新聞オーランド・センチネル紙は、11月の大統領選挙と同日に行われた連邦議会選挙でフロリダ州の下院議員候補者だったマイケル・ウォルツを推薦したことを謝罪した。ウォルツは当選し、大統領選挙の結果を覆そうとするトランプ陣営の訴訟を支持している。
同紙は11日、読者に対する謝罪記事を社説欄に掲載した。そしてジョージア、ウィスコンシン、ミシガン、ペンシルベニアの激戦4州で選挙の不正があったと主張して大統領選の結果を無効化しようとするテキサス州の共和党関係者による最高裁への訴訟を支持したことでウォルツを非難した(最高裁は同日、この訴えを退けた)。
「2020年の議会選挙でマイケル・ウォルツを推薦したことを読者にお詫びします。当時は、ウォルツに民主主義を堅持する気がないことを知るすべがなかったのです」という書き出しで、謝罪記事は始まった。
フロリダ州では共和党議員10人がトランプ陣営の訴訟を支持するために署名しており、ウォルツはその一人だった。10日の時点で、100人を超える共和党の下院議員は選挙結果を覆そうとするドナルド・トランプ大統領の最後の試みに賛同していた。
訴訟は敗北続き
「ウォルツを推薦するかどうかを決める面談当時は、まさか大統領選でトランプが勝ったことにするため激戦4州の数千人の有権者の票をなかったことにする訴訟が起こり、それに彼が賛同するとは思いもしませんでした。痛恨のミスです」と、謝罪記事は続く。
ウォルツは自分がトランプ陣営の訴訟を支持していることについて、12月10日にデイトナ・ビーチ・ニュース・ジャーナルにこう語った。「この訴訟が民主主義を脅かしていると言う人たちに言いたい。不正投票を見過ごしたり、隠蔽したりすることは、われわれの民主主義にとってよくないことだと思う。これらの問題に取り組むことを通じて信頼を回復することは民主主義のためだ」
だが、オーランド・センチネル紙は謝罪記事のなかで、トランプの法務チームはすでに、無数の不正疑惑を裁判所に訴えているが、ほぼ毎回失敗しているとウォルツに反論した。
「ウォルツが注意を払っていたら、そうした不正疑惑が裁判所や州、司法省によって無視されているわけではないことがわかるはずです。彼らの主張が法廷での精査に堪えるほど確かなものでないというだけなのです」と、同紙の記事は続く。
これまでのところ、トランプの法務チームは選挙後に提起した50件以上の訴訟で負け続けている。