党内左派の人事でバイデンの力量が試される、「妥協はバイデンの持ち味」
BIDEN’S FIRST 100 DAYS
「バイデンが今後、気候変動問題で大胆な提案をした場合、各国の指導者にはこう尋ねる権利がある。『あなたにはどれだけの権限があるのか。アメリカの振り子がまた戻ってしまうことがないと、どうやって私たちを納得させられるのか』と」
それは簡単なことではない。だがリンカーン・プロジェクトのティマーは、トランプ時代の政治的対立に嫌気が差している一部の共和党議員が、特にヨーロッパとの関係修復についてバイデンに協力するだろうと予想している。
「われわれに賛同する多くの人々が外交政策関連の指導者で、何十年もバイデンと共に闘い、彼に協力してきた人々だ」と、彼は言う。
大統領選は接戦を極め、バイデンに票を投じた米史上最多の7800万人超に次いで多い、約7200万人の米国民がトランプ主義を支持した。この事実を受けて、リンカーン・プロジェクトなどの組織は2022年の中間選挙に向け、今後も民主党と非トランプ支持の共和党員を活発に支援していく計画だ。
「最高の議会巧者だったフランクリン・ルーズベルトやリンドン・ジョンソンのような大統領でさえ、最初からの味方は上院でも下院でも3分の1程度で、あとは敵が3分の1、中立が3分の1だった」と言うのは前出の政治学者サリバンだ。
問題は中立の3分の1を味方に引きずり込めるかどうか。それができれば、ねじれ議会でも結果を出せる。だからこそバイデンの豊富な議会経験に期待したいとサリバンは言う。「今の状況こそバイデンの出番にふさわしい。たぶん誰よりも適役だ」
<2020年11月24日号「バイデンのアメリカ」特集より>
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