イギリス版Go To Eat、コロナ流行拡大の原因だった──英調査結果
同准教授はこうしたことから、Eat Out Help Outよりも、一時帰休制度(新型コロナで働けなくなった人の賃金を80%まで政府が負担するもの)の延長や疾病手当の増額、給食の無料化などの方が費用対効果があったと結論付けている。
新型コロナウイルスへの政府の対策データをまとめている、オックスフォード大学のプロジェクトの責任者トビー・フィリップス氏は英スカイニュースに対し、フェッツァー准教授の調査は自分の研究結果と一致していると話した。フィリップス氏はまた、夏の間に「出かけろ」と働きかけ、翌月には新たな外出規制が実施されるといった「振り子の揺れ」のような政策では、長期間ウイルスと生きていかなければならない状況の助けにはならない、と述べた。
第2波を受け英国は再びロックダウンへ
なおイングランドでは、11月5日から12月2日までの予定で、再びロックダウンに入る。ボリス・ジョンソン首相が10月31日に行った記者会見では、今回は3月のような「フル・ロックダウン」にはならないと説明。「今厳しい措置を取れば、国のすべての地域で家族が一緒にクリスマスを過ごせるようになる」と国民に訴えた。
今回のロックダウンは、在宅で仕事ができない人や医療、育児や教育関連、屋外での運動、生活必需品の買い出しなどを除き、自宅内にとどまることが求められる。同じ世帯以外の人とは、屋内や個人宅の庭で会うことは許されていないが、屋外の公共の場所でなら会えることになる。
飲食店は閉店となるが、テイクアウトや宅配はアルコール類を除き提供が許される。また、前述の一時帰休制度は当初10月31日で終了の予定だったが、12月31日まで延長することになったとボリス首相は会見で述べている。
同首相はまた、現在は新型コロナのテストが安価で信頼性が高いこと、さらには来年の第1四半期にはワクチンができる現実的な希望があることを挙げ、来年の春にはかなり状況はよくなっているはずだと、楽観的な見通しを述べた。