「ペンシルバニアで多くの黒人が棄権しない限りトランプは勝てない」
Rove Says Trump Needs African-American Turnout to Be Low to Win
世論調査分析サイト「ファイブサーティーエイト」はオンラインのアンケートツール「サーベイモンキー」による調査を分析し、2016年の「大統領選本選に投票した人の25%は黒人、中南米系、アジア系などのマイノリティだが、この層は棄権した人の42%を占めた。黒人有権者に絞れば、投票した人の11%、棄権した人の19%を占めた」と報告している。
2016年にトランプはペンシルベニア州では得票率0.7%の僅差でクリントンに勝った。つまりは、どの層であれ、投票率がわずかでも上下すれば、勝敗が変わり得るということだ。
トランプは、1863年に「奴隷解放宣言」に署名したエイブラハム・リンカーンを除けば、自分は黒人コミュニティーにとって歴代最高の大統領だと主張している。これには多くの反トランプ派があきれ、物笑いの種にしている。民主党支持者の多くはトランプを公然たる人種差別主義とみなしているからだ。ピューが先日実施した調査では、黒人有権者の89%が「どちらかと言えば」または「強固に」バイデンを支持すると答え、トランプ支持の割合は8%にすぎなかった。
もっとも、トランプの自画自賛も全く根拠がないわけではない。2018年に超党派の合意で成立した刑務所改革法案「ファースト・ステップ法案」に署名した実績があり、トランプは黒人票獲得のためにこれを大いにアピールしている。アメリカの刑務所にいる受刑者は、極端に黒人が多いからだ。
アメリカの人口に占める黒人の割合は13.4%にすぎないが、連邦刑務所の服役囚のおよそ33%が黒人だ。ピューの今年5月の調査によると、白人に比べて黒人は服役囚の割合が5倍多い。厳罰主義を改め、囚人の教育や社会復帰に力を入れる法改正は、黒人コミュニティーに大きな恩恵をもたらすと、トランプ支持の少数の黒人は主張している。
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