新型コロナ、スウェーデンは高齢者を犠牲にしたのか
Sweden's COVID Strategist Wants to Ease Restrictions for Elderly
ジョンズ・ホプキンス大学(JHU)の20日の報告によると、スウェーデンは現在、ヨーロッパで7番目に死亡率が高く、10万人当たりの死者数は58.12人に達している。
スウェーデンで高齢者の死者数が多いことについて、テグネルは、「こんなに死亡率が高くなければよかったのにと誰もが残念に思っている。まったく予想できなかったことだと言っておきたい」と語った
「われわれは積極的に、わかっていてこのリスクを取ったわけではない。スウエーデンでは高齢者を犠牲にしたようなものだ、という批判があることは知っているが、そんなことはまったくない、と断言する」
ロイター通信によると、スウェーデンの新型コロナによる死者のうち約2600人が高齢者介護施設の入居者だった。
今年7月に発表された研究によると「スウェーデンの新型コロナ死者数の70%以上は、高齢者ケア施設に滞在中の人々だった(2020年5月中旬現在)」という。
さらに、「新型コロナの犠牲者は、ほとんどが高齢者である。スウェーデンでは、2020年5月16日時点の死亡者の割合は70代で22%、80代が41%、90代が25%で、70歳以上が88%を占めている」としている。
高リスクだった施設入居者
だが、研究を共同執筆したレシオ研究所(ストックホルム)のダニエル・クライン研究員はそうした見方を否定する。「スウェーデンにおける医療と高齢者ケアの状況は、2020年3月までの2年間についてはAまたはA +の評価を与えてもおかしくない、すばらしいものだった。スウェーデンの制度は超高齢者と病人の死亡率を抑制していた」と本誌に語った。
「2020年3月に新型コロナウイルスが老人ホームやその他の高齢者介護サービス施設を襲ったとき、悲しいことにたくさんの高齢者がウイルスに屈した。だがその前の2年間、スウェーデンでは優れた医療と高齢者ケア制度のおかげで、多くの高齢者が死を免れ、命を長らえていた。そのため、新型コロナの感染拡大時には、施設に死亡リスクが高い人々がたくさんいた。この事実を無視するのは無責任だ」と、バージニア州にあるジョージ・メイソン大学の経済学教授でもあるクラインは言う
高齢者ケアが良すぎたために犠牲も増えたのだとすれば、皮肉だ。
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