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2020米大統領選各国銀行や投資家、米大統領選のバイデン勝利を想定 トランプのコロナ感染で
トランプ米大統領が新型コロナウイルス検査で陽性反応を示したことを受け、世界の銀行や投資家は対抗馬の民主党候補バイデン氏の勝利に向け準備を進めている。写真はバイデン氏(2020年 ロイター/Brendan McDermid)
トランプ米大統領が新型コロナウイルス検査で陽性反応を示したことを受け、世界の銀行や投資家は対抗馬の民主党候補バイデン氏の勝利に向け準備を進めている。
ロイターは9月30日、大手金融機関が11月の米大統領選結果の判明が遅れ、選挙後の数日間、もしくは数週間、各国の株式や債券市場が混乱するリスクを意識し始めていると報じた。
ただ、トランプ大統領が2日未明に新型コロナに感染したとツイッターで発表。これを受け、銀行や投資家はトランプ氏の選挙活動が制限され、大統領選で勝利する可能性が低下するとの見方に急速にシフトした。
ヘラクレス・インベストメンツの最高経営責任者(CEO)、ジェームズ・マクドナルド氏は「トランプ氏のコロナ感染により、機関投資家は民主党政権の樹立と、それに伴う税制、貿易、予算への影響に備えるだろう」と指摘。「市場のボラティリティーに備え、機関投資家がポートフォリオのリスクを減らし、ヘッジを増やすと予想する」と述べた。
2日の原油や株価は、トランプ氏のコロナ感染を受けて下落した。
資本市場に携わる銀行関係者はこの日、あらゆるシナリオを想定したストレステストを実施しているとしながらも、大統領選に向けたシミュレーションの焦点をバイデン氏の勝利と、それに伴うボラティリティーやヘッジ戦略への影響に傾けていると明かした。
別の銀行員は、トランプ氏のコロナ感染は「バイデン氏が勝利する可能性を高め、訴訟などの可能性を低下させた」と述べた。
バイデン氏は2日、新型コロナ検査で陰性だったと発表した。
米大統領選挙に関するロイター/イプソスの最新全米世論調査によると、乱戦模様となった9月29日の第1回候補者討論会後も、バイデン氏はトランプ氏に対し9ポイントのリードを維持している。
メドウズ大統領首席補佐官は2日、トランプ大統領は「軽い症状」を発症しているものの、執務不能には陥っておらず、自主隔離して職務を継続していると明らかにした。
トランプ陣営は、予定していたイベントについて変更や延期をすると発表。10月15日の候補者討論会が開催されるかは不明。
一部では、トランプ氏のコロナ感染を受け、大統領選の焦点が米経済からパンデミック(世界的大流行)に戻ると指摘されている。
一方、大統領選通過後もボラティリティーの高止まりを想定する声もある。
ソーンバーグ・インベストメント・マネジメントの社長兼CEO、ジェイソン・ブレイディ氏は「選挙後にボラティリティーが急低下するとは思えない。新政権への権限移譲または現政権の微調整に伴う二次的な影響が織り込まれるため、12月から来年1月にかけて市場はアップダウンするだろう」と述べた。
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