最新記事

感染症対策

ヨーロッパの航空業界、搭乗前検査で「陰性オンリー」便に期待 

2020年9月28日(月)13時04分

アリタリアは先週、ローマ発ミラノ行き路線で「COVID―19(新型コロナウイルス感染症)検査済み便」を導入し、23日から対象便を拡大する。抗原検査結果が陰性の乗客しか搭乗できない。

同社広報は「今のところ陽性の乗客は発見されていない」と言う。多くの乗客は、搭乗前夜に抗原検査を受けることを選ぶという。

同社は10月半ばに状況を分析する計画だが、既に対象便を拡大できると見込んでいる。「まずは、この実験の状況を見極めなければならない」と広報は話した。

イタリアでは既に、外国からの入国者に対して空港でSDバイオセンサーのキットによる抗原検査を行っている。

隔離よりまし

ルフトハンザの広報によると、同社はまず、客室乗務員を対象に抗原検査を実施する予定だ。また、同社幹部はファーストクラスとビジネスクラスの乗客も、同検査を受けられるようにする可能性があるとした。

「人を隔離するより、こうした検査の方が良い選択肢だとわれわれは考えている」と広報担当者は話す。

ドイツは10月から、空港以外でも介護施設など幅広い場所で抗原検査を活用することを視野に入れている。

当局は依然、PCR検査に比べて抗原検査の感度が劣ることを懸念している。しかし、経済活動をある程度正常化させることを目指すなら、完璧を求める余り「まあまあ良い」状態を排除すべきではない、との声もある。

ドイツのシュパーン保健相は「(抗原検査は)十分良い」と述べ、「大量に」導入する方針を示した。バイエルン州は既に1000万キットを発注済みだ。

(John Miller記者、Emilio Parodi記者)

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2020トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます


【話題の記事】
・ロシア開発のコロナワクチン「スプートニクV」、ウイルスの有害な変異促す危険性
・巨大クルーズ船の密室で横行するレイプ
・パンデミック後には大規模な騒乱が起こる
・日本がついに動く実物大のガンダムを建造、ファンに動画が拡散


ニューズウィーク日本版 英語で学ぶ国際ニュース超入門
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2025年5月6日/13日号(4月30日発売)は「英語で学ぶ 国際ニュース超入門」特集。トランプ2.0/関税大戦争/ウクライナ和平/中国・台湾有事/北朝鮮/韓国新大統領……etc.

※バックナンバーが読み放題となる定期購読はこちら


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

トランプ氏、自動車関税軽減の大統領令に署名

ワールド

ロシアの無条件停戦が和平の第一歩=ウクライナ大統領

ビジネス

スタバ、四半期世界売上高が予想以上に減少 米経済巡

ビジネス

原油先物2%下落、2週間ぶり安値 OPECプラス増
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
特集:英語で学ぶ 国際ニュース超入門
2025年5月 6日/2025年5月13日号(4/30発売)

「ゼロから分かる」各国・地域情勢の超解説と時事英語

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 2
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 3
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは? いずれ中国共産党を脅かす可能性も
  • 4
    ポンペイ遺跡で見つかった「浴場」には、テルマエ・…
  • 5
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新…
  • 6
    中居正広事件は「ポジティブ」な空気が生んだ...誰も…
  • 7
    インド北部の「虐殺」が全面「核戦争」に発展するか…
  • 8
    ロシア国内エラブガの軍事工場にウクライナが「ドロ…
  • 9
    トランプの中国叩きは必ず行き詰まる...中国が握る半…
  • 10
    パニック発作の原因の多くは「ガス」だった...「ビタ…
  • 1
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 2
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 3
    MRI検査で体内に「有害金属」が残留する可能性【最新研究】
  • 4
    ロシア国内エラブガの軍事工場にウクライナが「ドロ…
  • 5
    中国で「ネズミ人間」が増殖中...その驚きの正体とは…
  • 6
    教皇死去を喜ぶトランプ派議員「神の手が悪を打ち負…
  • 7
    私の「舌」を見た医師は、すぐ「癌」を疑った...「口…
  • 8
    使うほど脱炭素に貢献?...日建ハウジングシステムが…
  • 9
    健康寿命は延ばせる...認知症「14のリスク要因」とは…
  • 10
    パニック発作の原因の多くは「ガス」だった...「ビタ…
  • 1
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 2
    日本史上初めての中国人の大量移住が始まる
  • 3
    日本旅行が世界を魅了する本当の理由は「円安」ではない
  • 4
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 5
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 6
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 7
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜…
  • 8
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大…
  • 9
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止する…
  • 10
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中