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2020米大統領選

バイデン、オバマケア軸にトランプの最高裁判事指名に反対攻勢

2020年9月28日(月)11時34分

米民主党の大統領候補、バイデン前副大統領と同党議員らは、トランプ大統領による保守派エイミー・バレット連邦高裁判事(48)の最高裁判事指名について、医療保険制度改革法(オバマケア)無効化を巡る判断で決定票を握る可能性に焦点を当て、反対する姿勢を鮮明にした。米首都ワシントンで25日、代表撮影(2020年 ロイター)

米民主党の大統領候補、バイデン前副大統領と同党議員らは27日、トランプ大統領による保守派エイミー・バレット連邦高裁判事(48)の最高裁判事指名について、医療保険制度改革法(オバマケア)無効化を巡る判断で決定票を握る可能性に焦点を当て、反対する姿勢を鮮明にした。

最高裁判事の人事は上院の承認が必要。共和党が過半数を握っているため、民主党は11月3日の大統領選・連邦議会選前の採決実施を阻む余地がほとんどなく、承認を阻止できる可能性もほとんどない。

その代わり、バイデン氏は27日にデラウェア州で行った演説で、オバマケア無効化を求める訴訟と関連付けてバレット氏の指名を批判し、この問題を争点に据えて支持基盤の強化を目指す構えを示した。

最高裁では選挙後の11月10日、トランプ氏や共和党が申し立てたオバマケアの無効化を巡り口頭弁論が行われる予定で、バレット氏が判事に就任している可能性がある。無効化が認められれば、多数の米国民が無保険となり、既往症を持つ人が医療保険に加入する権利も保護されなくなる。

バイデン氏は「何が起きているかは明らかだ。トランプ大統領はオバマケアを廃止しようとしている。この4年間、廃止を試みてきた」と訴えた。

バレット氏は26日、ホワイトハウスの式典で最高裁判事指名を受けた際、保守派として知られた故アントニン・スカリア元最高裁判事の路線を踏襲すると表明。スカリア氏はオバマケアの根幹部分の是非を問う過去2件の訴訟で、反対派の訴えを支持した。

バレット氏の指名が承認されれば、保守派判事はリベラル派に対し6対3の割合となり、最高裁の保守化が進む。

バイデン氏は、新型コロナウイルスの「パンデミック(世界的大流行)下での人々の医療保険が問題になっている」と訴えた。また、大統領選の勝者が新たな判事を指名すべきとの考えを改めて示した。

トランプ氏は27日のツイッターへの投稿で最高裁がオバマケアの無効化を決めた場合「はるかに優れて安価な代替制度が導入される」とした。

上院民主党の議員らもこの日、バイデン氏と足並みをそろえ、10月12日から上院司法委員会で開かれるバレット氏の指名承認公聴会では、オバマケアに焦点を当てた質問を行う考えを表明した。

バイデン氏の副大統領候補、カマラ・ハリス上院議員は同委のメンバーで、18年にトランプ氏が最高裁判事に指名したブレット・カバノー氏の公聴会での攻撃的な質問で注目を集めた。今回も注目を浴びる可能性がある。

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