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日本外交

安全保障は安倍路線を引き継がない......菅外交の不透明なこれから

2020年9月24日(木)16時15分
ジャック・デッチ(フォーリン・ポリシー誌記者〔米国防総省担当〕)

東シナ海の島の領有権などをめぐり日本と対立する中国にとって、菅の登場は様子見の時間になり得ると、オースリンは言う。「(中国が)賢ければ、菅に時間を与え、彼が安倍の政策をさらに進めることが可能かどうか見極めようとするだろう」

米政界も大統領選を控えて不確実な時期にある。日米両国には米軍駐留経費の負担をめぐる厳しい交渉が待っているが、ここはアメリカから菅に歩み寄るべきかもしれない。

「アメリカは安倍との(良好な)関係が偶然ではなかったことを示したほうがいい」と、オースリンは言う。「国際舞台で積極的な姿勢を取る新しい日本が日米関係の基礎になるということ、その関係は安倍がいてもいなくても変わらないことを示すべきだ」

From Foreign Policy Magazine

<本誌2020年9月22日号掲載>

【関連記事】「スガノミクス」を侮るな 注目すべき独自路線の大きな可能性とリスク
【関連記事】日本人の安全保障意識を変えた首相......安倍が残した真のレガシー

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