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海洋汚染モーリシャス沖座礁わかしお、商船三井が追加支援「しっかり対応できるまで」
商船三井<9104.T>は11日、同社がチャーターしていたばら積み貨物船がモーリシャス共和国沖で座礁し油濁を起こした事故を巡って、基金の設立など複数年で総額10億円程度を拠出する追加支援策を発表した。写真はモーリシャス沖で座礁した貨物船。8月11日撮影。(2020年 ロイター/Reuben Pillay )
商船三井<9104.T>は11日、同社がチャーターしていたばら積み貨物船「わかしお」がモーリシャス共和国沖で座礁し油濁を起こした事故を巡って、基金の設立など複数年で総額10億円程度を拠出する追加支援策を発表した。池田潤一郎社長は会見で、事故が及ぼした影響に「しっかり対応できたというところまで」支援をする考えを示した。
池田社長は「法的責任は一義的には船主が負うべき」としながら、法的責任だけでは全て整理できないとして追加支援に乗り出す考えを示した。支援額10億円は「様々なステークホルダーからの理解を得られる規模感」と説明した。
「(モーリシャスの環境や人々の生活に)『わかしお』が及ぼした影響にしっかり対応できたというところまで」支援を継続するとし、支援額は10億円を上限とはしない考えを示した。ただ「大きく桁が変わるとは考えられない」としている。
自然環境保護・回復の取り組みとして、自然環境回復基金を設立し、発起人として数年にわたって8億円程度を拠出する。個人や法人からの拠出も受け入れ、「わかしお」の船主の長鋪汽船も拠出の意向を表明しているという。
現地NGOと連携して、マングローブ林やサンゴ礁の保護や回復に向けたプロジェクトも検討。複数の現地NGOへの寄付やモーリシャス政府などの基金に計1億円程度の拠出を予定する。グループ社員の現地への派遣も継続する。
地域社会・産業への貢献も進める。漁業水産業への支援として、現地のニーズを踏まえて冷凍コンテナ1本を寄贈するほか、商船三井客船の「にっぽん丸」による日本発着のモーリシャス寄港クルーズについて、2022年を念頭に計画する。
わかしおは7月25日に座礁。約4000トンの油を積んでおり、8月6日には亀裂の入った燃料タンクから1000トン超の油が海に流出した。
(平田紀之 編集:田中志保)
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