2020年ドイツ人が最も恐れるのは......コロナではなくトランプ政治
健康より経済への悪影響を懸念
ドイツ人の懸念はむしろ、パンデミックがもたらす経済的悪影響にあるようだ。2位の「生活費の高騰」51%は昨年の10位から8%増加し、過去6年で初めて「ドイツ人の7大恐怖」に再登場した。4位の「経済状況の悪化」48%も、昨年の14位から13%増え大幅に上昇した。
ドイツ人がトランプ大統領を恐れる原因は、その政治がもたらすドイツ経済への悪影響のようだ。
トランプがドイツ人の心配事1位となったのはこれで2度目だ。2018年の同調査では、調査開始以来最高値の69%が、トランプを懸念すべき存在と見なしている。
長年R+Vインフォセンターのアドバイザーを務めるハイデルベルクのルプレヒト・カール大学の政治学者マンフレッド・G・シュミット教授は、それを当然の結果だと指摘する。「トランプは彼の外交政策により、深刻な国際摩擦を繰り返し引き起こしている。特に顕著なケースは、中国との貿易紛争と、ドイツを含む同盟国に対する貿易と安全保障政策の攻撃だ。さらに米国の国際協力からの撤退、イランとの対立がある」と同教授は述べている。
難民・外国人への不安は減?
「政治家の仕事への不満」は昨年より7%下げ、40%の12位で、これは調査が始まって以来最低だった。新型コロナへの恐怖心が思ったより低いことからもわかるように、ドイツ国民はパンデミック下における政府の危機管理に比較的満足しているようだ。
2020年、それぞれ6位と7位につけている「外国人流入による緊張」43%、「難民のための国家の負担」43%だが、こちらは昨年よりそれぞれ12%、 13%下がっており、外国人に対するドイツ社会全体の恐怖感は下がった様相だ。しかし実際にはパンデミック発生に伴い外国人差別も増えており、現実との差も感じられる。