マオリ語で「陰毛」という名のビール、醸造会社が謝罪
同氏はまた、フルフルという言葉が、一般的に「陰毛」と言う意味として使われていることを知らなかったと認めた。さらに、「オンライン辞書を使うよりも、マオリの人に相談するべきだった」としたうえで、「マオリ文化を侵害したり、盗用したり、マオリの人たちを怒らせたりする意図はなかった」と謝罪している。
商品名は気を付けないと
商品名を付ける際などに、自国以外の言語を使っておしゃれな響きを演出するのは、世界中のメーカーが使っている手法だ。だが気を付けないと、今回の「フルフル」のようにその言語ではとんでもない意味になったり、文化の盗用だと批判されるケースも少なくない。
たとえばコカ・コーラ社が2018年に、ニュージーランドに設置した自動販売機にマオリ語と英語を合わせた言葉をあしらって展開し、話題になったことがあった。
自動販売機には、「Kia ora, mate」という言葉が大きく書かれていた。英イブニング・スタンダードによると、マオリ語の「Kia ora」は「こんにちは」を意味し、英語の「mate」はニュージーランドで挨拶に使われたり、親しみを示したりする言葉だ。しかし「mate」は、マオリの言葉では「死」を意味するという。
つまり、自販機に書かれた文字をマオリ語だけで読むと「こんにちは、死」となる。イブニング・スタンダードは、「マオリ人にチェックしてもらわなかったんだな、と思った」という地元の人の声を紹介している。
日本語に関しては、キム・カーダシアンさんが補正下着ブランドを「KIMONO」と名付け、日本でも炎上した記憶は新しい。カーダシアンさんは結局、ブランド名を変更している。同様に、歌手リアーナさんがプロデュースするコスメブランド「フェンティ・ビューティ」では昨年、赤のアイライナーを発売したが、「ゲイシャ・シック」という商品名だった。そのため、「文化の盗用だ」「差別的だ」と批判が相次ぎ、商品名を変えるに至った。