ブラジル、経済活動再開で感染速度5倍へ 首都ブラジリアがホットスポット
生き地獄
人口300万人と国内3位のブラジリアは、今年3月5日に新型コロナの初の感染が報告された。英国とスイスから帰国した52歳の女性だった。同月24日に最初のコロナ死者が確認されて以降の2カ月間では100人と、死者数の増加はゆっくりだった。
ところが5月27日にショッピングモールを再開した後の1カ月間では、感染者と死者の増加スピードが5倍に。7月6日の1日当たりの新規感染者は2529人と過去最多になり、死者累計は726人を超えた。
セイランディアの主要病院の救急病棟で働く看護師は「状況は混乱していて、生き地獄。感染増加が止まらない」と話した。病院では医師と看護師、さらに救急車も不足しているという。
衛生評議会のビアス氏は、感染は富裕地域のブラジリアから近郊に広がっていると指摘。近郊の労働者はしばしば、ひしめき合った公共交通機関で1時間かけてブラジリアに通勤するという。
ソルナセンテのある住民は「ここは実に悲惨。この数日で感染が大きく増えている」と語った。
ブラジリア中心部でメイドとして働くノグエイラさんは、自分の家の近所のバーはマスクなしの人で溢れ、週末のパーティーにも無頓着に興じていたと話した。一方で、銀行は新型コロナ対策で政府の所得補償金の臨時支払いを受ける行列で混み合っているという。
ビアス氏は「選挙や経済の利害関係者は、命を救うことよりも金儲けに関心を持つ」と述べた。
Anthony Boadle
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