最新記事
アメリカ社会暴行死のジョージ・フロイド、故郷で葬儀 バイデン、差別問題の直視訴えるメッセージ寄せる
白人警官に逮捕される際に暴行を受けて先月死亡した黒人男性ジョージ・フロイドさんの葬儀が、故郷テキサス州ヒューストンの教会で行われ、遺族や友人をはじめ約500人が参列した。(2020年 ロイター/Adrees Latif)
白人警官に逮捕される際に暴行を受けて先月死亡した黒人男性ジョージ・フロイドさんの葬儀が9日、故郷テキサス州ヒューストンの教会で行われ、遺族や友人をはじめ約500人が参列した。
46歳でこの世を去った「やさしい巨漢」フロイドさんは今や、正義を求めて根深い人種差別と戦う人々の象徴となった。
フロイドさんが白人警官に8分46秒にわたって膝で首を押さえ込まれ、「息ができない」と訴えた様子を収めた動画は世界中に衝撃を与え、各地で抗議デモが起きている。
フロイドさんのめい、ブルーク・ウィリアムズさんは「私は息ができる。私が息をしている限り、正義が世の中に行き渡るでしょう」と弔辞を読み上げ、拍手を受けた。おばのキャスリーン・マギーさんは「われわれ家族、特にジョージに対してこれほどのことをしてもらい、全世界に感謝したい」と話した。
有名な黒人指導者アル・シャープトン氏はフロイドさんの死について「これは悲劇ではなく犯罪だった」と怒りを表し、こうした黒人の命を奪った代償を誰かが支払うまで、フロイドさんのような人たちは浮かばれないと強調した。
事件の反響の大きさを反映し、葬儀は米国の主要テレビ局全てが生放送し、ニューヨーク証券取引所では8分46秒間の黙祷が捧げられ、そのもようをCNBCテレビが音声なしで伝えた。
葬儀には野党・民主党の大統領候補指名を確定させたバイデン前副大統領もビデオでメッセージを寄せ、あまりにも多くの黒人が普通の生活を送っているだけで命を落としかねないという現実に「われわれは目を背けてはならない」と述べ、人種差別に社会がしっかりと向き合うべきだと主張した。
【関連記事】
・米政権のデモ弾圧を見た西欧諸国は、今度こそアメリカに対する幻想を捨てた
・巨大クルーズ船の密室で横行するレイプ
・黒人男性ジョージ・フロイドの霊柩車に、警官がひざまずいて弔意を示す
・街に繰り出したカワウソの受難 高級魚アロワナを食べたら...
2020年6月16日号(6月9日発売)は「米中新冷戦2020」特集。新型コロナと香港問題で我慢の限界を超え、デカップリングへ向かう米中の危うい未来。PLUS パックンがマジメに超解説「黒人暴行死抗議デモの裏事情」