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アメリカ社会米首都ワシントンDC、黒人暴行死で最大規模のデモ 全米各地の暴動は沈静化
米首都ワシントンでは6日、黒人男性ジョージ・フロイドさんが白人警官による暴行で死亡した事件以来最大規模の抗議活動が行われた。(ロイター/Erin Scott)
米首都ワシントンでは6日、黒人男性ジョージ・フロイドさんが白人警官による暴行で死亡した事件以来最大規模の抗議活動が行われた。その他の全米各地でも12日連続となるデモが繰り広げられたが、暴動が沈静化し、概して平和的だった。
ワシントンでは数万人がデモに参加し、警察の暴行への抗議を意味する「息ができない」、「手を上げてるから撃たないで」などのスローガンを唱えながらリンカーン記念堂からホワイトハウスに行進した。
全米の一部の都市では、デモ隊が道路の占拠を試みる場面がみられた。西部ワシントン州シアトルでは、警察がデモ隊に閃光(せんこう)弾を使用した。ただ、この日は、5月25日に中西部ミネソタ州ミネアポリス近郊で起きたフロイドさんの暴行死を撮影した動画が拡散し、デモが広がって以来、最も平和的に実施された。
デモでは、フロイドさんの死による怒りを原動力に、米刑事司法制度や当局によるマイノリティーの扱いの抜本的改革を求める運動を推進するというメッセージが前面に打ち出された。
これまでのデモは一部が暴動化し、放火や略奪、破壊行為が相次いだことを受けて、複数の州で州兵が動員された。ただ、ミネアポリスの検察当局がフロイドさんを死亡させた元警官デレク・ショビン容疑者を当初より重い第2級殺人の容疑で訴追することを決め、現場にいた他の警官3人も殺人ほう助と教唆の容疑で逮捕・訴追したことから、3日以降、沈静化し始めた。
ただ、ミネアポリスではデモ参加者による市警察への資金交付停止の要求を拒んた市長が激しい非難の声やブーイングを浴びるなど、抗議活動の勢いは衰えていない。
白人主義の秘密結社「クー・クラックス・クラン(KKK)」がかつて拠点としていたテキサス州の小さな町ビダーでも、白人と黒人によるデモ隊が「ブラック・ライブズ・マター(黒人の命は大切)」のスローガンが書かれたプラカードを掲げて抗議を行うなど、人種差別撤廃を求める動きは人種を越えて広がっている。
人種差別に抗議する動きは国境を越え、オーストラリアのブリスベンやシドニー、ロンドンやパリなど欧州各地でもデモが行われた。
また、こうした抗議活動により、2週間前には考えられなかった警察組織の再編構想も浮上している。
ニューヨークタイムズは、ミネアポリス市議会で7日、警察組織を解体し地域主導で治安維持を図る仕組みを導入する案に過半数が賛成したと報じた。市議の1人はツイッターに「ミネアポリス市議会は、市警察の再編は不可能であるため、現在の警察組織を廃止する方向で合意した」と投稿した。
一方、ニューヨーク市でも、複数の団体が警察に拠出する資金を学校教育に振り向けるよう求めて平和的デモを開催。
批判を受けたデブラシオNY市長は警察への信頼回復に向けた再編計画を発表し、警察予算から有色人種向けの社会福祉などに一定金額を振り向ける方針を明らかにした。
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