最新記事

黒人リーダー

BLMの指導者「アメリカが我々の要求に応じないなら現在のシステムを焼き払う」の衝撃

BLM Leader: We'll 'Burn' the System Down If U.S. Won't Give Us What We Want

2020年6月26日(金)15時05分
メーガン・ルース

FOXニュースに出演したBLMニューヨーク支部のニューサム会長(右) screenshot/FOX NEWS

<概ね平和的に警察改革を求めていると思った「ブラック・ライブズ・マター(黒人の命も大事)」運動の指導者の一人が暴力を口にし始めた真意は>

黒人差別の撤廃を訴える「ブラック・ライブズ・マター(BLM:黒人の命も大事)」運動のニューヨーク地区責任者が6月24日、FOXニュースに出演。インタビューの中で、アメリカが真の変革に向けて行動を起こさないならば「現在のシステムを焼き払う」用意があると発言した。

「この国が我々の要求に応えないなら、我々は現在のシステムを焼き払って置き換えるつもりだ」とホーク・ニューサムは語った。「比喩的な表現か、文字どおりの意味かは、解釈に任せる」

「自分は暴動を容認も非難もしない」が、この数週間に起こった変化は、暴徒化したデモ隊の破壊行為がきっかけだった、とニューサムは言う。

「この国は暴力の上に築かれている」と彼は言う。独立戦争や現代のアメリカ外交もそのいい例だ。「相手の国に攻め込んで、指導者を好みの人物に差し替えるのがこの国のやり方だ。だから我々のことを暴力的だと非難するアメリカ人は誰であれ、ひどい偽善者だ」

自衛のための武装は「アメリカらしい行為」

白人が銃を所持するのは憲法修正第2条で保障された自衛の権利だが、黒人が自衛のために武装するのは許されない、というのもアメリカの偽善だ、とニューサムは言う。「我々が自分の命を守るために武器を所持するとして、これ以上にアメリカらしい行為はないはずだ」

BLM運動のきっかけは、5月25日にミネアポリスで黒人男性ジョージ・フロイド(46)が白人警察官に拘束されて死亡した事件だった。警官がフロイドの首を膝で押さえつける動画を見て抗議デモが全米に広がり、それが世界にも広がった。

警察の改革と黒人に対する暴力をなくすことを求めて行われた抗議活動の多くは平和的なものだったが、デモ隊が暴徒化して器物の破壊や略奪を行なったり、警察官と激しく衝突したりするケースもあった。その上、フロイドの死の前後にも、黒人が警察官や白人から暴力を受けて死亡する事件が次々と報告されて怒りを煽っており、ニューサムのようなBLM運動の指導者たちは目に見える真の変革を強く求め始めている。

<参考記事>今度は殺害された黒人6人の写真が吊るされた
<参考記事>ガーナ、人種差別に苦しむアメリカ黒人に「帰還」を呼びかけ

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

米農務長官にロリンズ氏、保守系シンクタンク所長

ワールド

COP29、年3000億ドルの途上国支援で合意 不

ワールド

アングル:またトランプ氏を過小評価、米世論調査の解

ワールド

アングル:南米の環境保護、アマゾンに集中 砂漠や草
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:超解説 トランプ2.0
特集:超解説 トランプ2.0
2024年11月26日号(11/19発売)

電光石火の閣僚人事で世界に先制パンチ。第2次トランプ政権で次に起きること

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋トレに変える7つのヒント
  • 2
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 3
    「このまま全員死ぬんだ...」巨大な部品が外されたまま飛行機が離陸体勢に...窓から女性が撮影した映像にネット震撼
  • 4
    北朝鮮は、ロシアに派遣した兵士の「生還を望んでい…
  • 5
    「ダイエット成功」3つの戦略...「食事内容」ではな…
  • 6
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対す…
  • 7
    ロシア西部「弾薬庫」への攻撃で起きたのは、戦争が…
  • 8
    クルスク州のロシア軍司令部をウクライナがミサイル…
  • 9
    「何も見えない」...大雨の日に飛行機を着陸させる「…
  • 10
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 3
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査を受けたら...衝撃的な結果に「謎が解けた」
  • 4
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋…
  • 5
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 6
    日本人はホームレスをどう見ているのか? ルポに対す…
  • 7
    北朝鮮は、ロシアに派遣した兵士の「生還を望んでい…
  • 8
    Netflix「打ち切り病」の闇...効率が命、ファンの熱…
  • 9
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参…
  • 10
    メーガン妃が「輝きを失った瞬間」が話題に...その時…
  • 1
    朝食で老化が早まる可能性...研究者が「超加工食品」に警鐘【最新研究】
  • 2
    北朝鮮兵が「下品なビデオ」を見ている...ロシア軍参加で「ネットの自由」を得た兵士が見ていた動画とは?
  • 3
    寿命が延びる、3つのシンプルな習慣
  • 4
    外来種の巨大ビルマニシキヘビが、シカを捕食...大き…
  • 5
    朝鮮戦争に従軍のアメリカ人が写した「75年前の韓国…
  • 6
    自分は「純粋な韓国人」と信じていた女性が、DNA検査…
  • 7
    北朝鮮兵が味方のロシア兵に発砲して2人死亡!? ウク…
  • 8
    「1年後の体力がまったく変わる」日常生活を自然に筋…
  • 9
    「会見拒否」で自滅する松本人志を吉本興業が「切り…
  • 10
    足跡が見つかることさえ珍しい...「超希少」だが「大…
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中