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中台関係中国全人代、台湾統一巡り「平和的」との文言削除 李克強首相の政府活動報告で
中国の李克強首相(写真)は、全国人民代表大会(全人代、国会に相当)の冒頭、中国政府は台湾の市民に対し、中国とともに台湾の独立に反対し、中国との「統一」を推進するよう奨励すると語った。写真は北京で22日撮影(2020年 ロイター/CARLOS GARCIA RAWLINS)
中国の李克強首相は22日、全国人民代表大会(全人代、国会に相当)で政府活動報告を行ったが、台湾との「再統一」に触れた部分でこれまで通例として付与していた「平和的」との文言を削除した。台湾との関係が悪化し続ける中、政策変更の可能性を示唆した。
台湾側は新型コロナウイルスの流行が始まって以降、中国の戦闘機や海軍艦艇が演習で定期的に台湾に接近していることを挙げ、中国による軍事的なハラスメントが強まっていると批判。中国側は通常の活動だとしている。
中国は台湾について、最も注意を要する重要な領土問題としており、台湾を自国の省の一つとして「国家統一」する手段として、武力行使の選択肢を放棄したことはない。
この日の演説で李克強首相は、「台湾の独立を目指す活動家の動きに断固として反対し、これを阻止する」と強調。台湾の市民に対し「台湾独立への反対と中国の再統一促進に参加することを奨励する。こうした取り組みを通じて、活気に満ちた中国の美しい未来を構築できる」とし、中国との「統一」を推進するよう呼びかけた。
さらに、台中間の交流や協力を促進し、台湾市民の福祉を守るための政策を改善していく方針も示した。
今回の演説はこれまでと異なり、「再統一」の前に「平和的」との文言が盛り込まれなかった。中国の指導者は少なくとも過去40年間、全人代で演説して台湾に言及する際、この文言を付けることが通例だった。
「平和的」との文言が盛り込まれなかったことについて、台湾当局高官はロイターに対し、中国の対台湾アプローチの根本的変化を示唆するものではないとの見方を示した。
同高官は「彼らは依然として、間接的な言語表現で平和的統一の概念を語っている」と指摘。李首相による両岸交流や経済統合に関する発言も踏まえた分析として、「(政府活動報告の内容は)中立だ。われわれはそのようには(中国の対台湾アプローチに根本的変化があったとは)見ていない」と述べた。
中国の国務院台湾事務弁公室にコメントを求めたが、今のところ回答は得られていない。
台湾の蔡英文総統は20日、2期目就任にあたっての演説で、台湾は中国との対話を望むが、中国が提案する「一国二制度」は受け入れられないと語っている。
*内容を追加しました。
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