中国の5G戦略が世界をリードする
The Long March to 5G
一方、輸出市場が落ち込み、中国の内需が期待できないなか、5月22日に開幕予定の全国人民代表大会で発表されるGDP成長率目標を達成するためには、国家主導の新しいインフラへの投資が必要になってくるという事情もある。
今年の冬までに5G展開の第1段階を終え、現行の4Gネットワークから独立して機能するスタンドアローン・サービスを構築する第2段階へ突入すれば、国有企業が基地局の調達とインフラのシステム部分の構築を推進し、地方政府がそれを促進するという中国の統制経済的な側面が示されるだろう。このインフラの可能性を生かすのは、中国の民間企業の役割になる。
こうした積極的な動きは、今までの外国との競争と相まって、4Gでの中国の経済的成功を支えてきた。この傾向は5Gでさらに顕著になるだろう。5G技術を先導する中国企業は国外市場へと進出し、技術エコシステムにおける中国経済の影響力を一層強化。外国経済を「羽交い締め」にしかねない。
いずれにせよ、今のところ世界の5G競争のトップに立っているのは中国とみてよさそうだ。
From thediplomat.com
<本誌2020年5月19日号掲載>
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