最新記事
中南米「麻薬テロ」で起訴されたベネズエラのマドゥロ大統領
マドゥロは麻薬密売組織のボスなのか? Manaure Quintero-REUTERS
<米司法省は、マドゥロが麻薬密売組織を率いて数百トンの麻薬をアメリカに密輸してきたと言うが......>
米司法省は3月26日、ベネズエラのマドゥロ大統領と側近らを「麻薬テロリズム」の罪で起訴した。拘束につながる情報に1500万ドル(約16億円)の懸賞金を出すという。
司法省はマドゥロが「太陽のカルテル」と呼ばれる麻薬密売組織を率いていると主張。ゲリラ組織コロンビア革命軍(FARC)と連携し、20年以上にわたりアメリカに数百トンの麻薬を密輸したという。
アメリカをはじめとした国際社会の制裁で経済危機が深刻化するベネズエラは、麻薬を対米攻撃の「武器」にしていると、米当局は指摘。バー司法長官は「マドゥロらは麻薬で米コミュニティーを破壊しようと試みてきた」と言う。
一方でベネズエラのアレアサ外相は、政権転覆が狙いだと米当局を非難。「米トランプ政権はまたもベネズエラ国民と民主的政府を攻撃するつもりのようだ」と話した。
マドゥロがアメリカで裁かれた場合、終身刑を受ける可能性もある。だが、彼を出廷させる手段は不明だ。
<本誌2020年4月7日号掲載>
2020年4月7日号(3月31日発売)は「コロナ危機後の世界経済」特集。パンデミックで激変する世界経済/識者7人が予想するパンデミック後の世界/「医療崩壊」欧州の教訓など。新型コロナウイルス関連記事を多数掲載。