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コロナ疲れ

「コロナ疲れ」にはユーモアで対処! ケーキに替え歌 フランスではやりすぎで謝罪も

2020年3月9日(月)17時30分
モーゲンスタン陽子

啓蒙ソングにパロディソング......悪趣味か否か

イタリアでは、ガーナ出身の人気ラッパー、ベロ・フィゴ(27)の「コロナウィルス」がヒット。「コロナウィルス〜」と繰り返し耳に残るメロディは、リリース3日後にはYouTubeで100万回、Spotifyで15万回近い再生を記録した。以前はベロ・フィゴ・グッチと名乗っており、グッチに訴えられたこともあるそうだ。

Bello FiGO - CoronaVirus


学校閉鎖が続くヴェトナムでは、Vポップの大ヒット曲Ghenをアレンジした啓蒙ソングGhen Co Vyがトレンド化している。こちらは、元の曲を書いたアーティスト本人が政府と協力し、ウイルスからの予防を呼びかけるよう歌詞を書き換えたものなので、いわゆるパロディではない。


一方、79年の大ヒットソング、ザ・ナックの「マイ・シャローナ」のパロディソング、「マイ・コローナ」は、悪趣味と感じる人もいるだろう。アメリカ人医師ズビン・ダメニアはYouTubeに18万人以上のフォロワーを持つラッパーでもある。


パロディといえば、80 年代にマイケル・ジャクソンの「ビート・イット」のパロディ「イート・イット」などが大ヒットしたアル・ヤンコビックが思い浮かぶが、「マイ・コローナ」のヒットを受け、ヤンコビックの元にもファンからのリクエストが多数舞い込んでいるようだ(たとえば「カモン・アイリーン」のパロディで「COVID-19」など......個人的には聞きたい)。しかしヤンコビック本人はコロナ曲を発表する意思はないことをツイートしている。



フランスのTV局はコロナピザで謝罪

だが、やりすぎは禁物だ。フランスで2日、有料民間テレビCanal+の風刺番組内で、咳き込むシェフが焼きたてのピザの上に緑色の痰を吐く短いビデオ「コロナピザ」が放映されると、イタリア国民はこれに激怒。イタリアのルイジ・ディマイオ外相も「許せないほど悪趣味」と抗議を表明。同局は謝罪に追い込まれた。


ユーモアと悪ふざけの境界線を見極めるのが難しいところだが、昔から圧政や疫病などの苦難の時代にこそすぐれたユーモアや芸術、ポップカルチャーなどが誕生してきたように思う。日本では今回の経験がどのように変容し、表現されていくのだろうか。

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