国民の命は二の次か? 武漢パンデミックを後追いする日本
何よりも恐ろしいのはクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス号」をウイルスの培養皿にしてしまっただけでなく、「陰性」と判断して下船させた人たちを一般公共交通機関で帰宅させたことだ。日本以外の国は全て下船後の自国の乗客たちをチャーター機で帰国させた後、14日間の隔離を強制している。
一方、下船後にすぐさま「陰性」から「陽性」に転じた人が日本を含めた世界で複数名いるだけでなく、「下船時に陰性と判断した乗客」の一部は、「実は2月5日に検査した診断結果であって、下船時前には検査していない」人が23人もいることが下船後に判明した。
このずさんさは、いったいどこから来るのか?
日本政府には日本国民の命を守るという意識があるのかとさえ思ってしまう。
クルーズ船の内部を暴露した岩田医師
中でもクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス号」における惨状には愕然とする。
すでに多くの日本国民及び世界中の多くの人の知るところとなっているので余計なことは書かないが、2月18日午後9時頃、神戸大学感染症内科の岩田健太郎教授がYouTubeに日本語と英語で告発動画をアップした。船内は「どこがレッドゾーンでどこがグリーンゾーンか区別がつかない」ほどグチャグチャになっていて危険だということが主たる内容だ。すると直後から19日早朝にかけて 日本および世界(CNNやBBC)にこのYou Tubeが拡散し、大きな話題となった。
その後、日本政府からの圧力を岩田教授が感じたものと「推測」されるが、乗船2時間で下船を命令された岩田教授は、その動画を自ら削除し、それがさらに大きな話題になって外国人記者クラブで記者会見も行っている。日本語ではこの動画や、こちらの報道<「声を上げられないスタッフを代弁してくれた」岩田健太郎氏の動画に、船内スタッフが沈黙破る>など、数多くの人が関連情報を大きく扱った。
そこで2月19日午前10時、厚労省の橋本副大臣が岩田教授の告発に反論する形でツイートしたのだが、それがまた逆に岩田教授が言っていることが正しかったことを証明する結果になったことで、ネットは燃え上がった。
すると橋本副大臣は慌てて自らアップした画像を含むツイートを削除。
その画像はしかし、多くのネットユーザーにダウンロードされていて、今も見ることが可能だ。念のため以下に貼り付けよう。
これは船内でゾー二ング(領域の区別)が成されている証拠として「右側のドアを通れば不潔(危険)領域」で「左手のドアを通れば清潔(安全)領域」として区別してありますよということを示した写真だ。誰がどう見てもずさん過ぎるのは一目瞭然なので、橋本氏が削除したものと考えていいだろう。