サンダース、ブティジェッジ、バイデン...... 米民主党の大統領選指名争い、混迷深まる
次の段階
次の舞台となるネバダ州とサウスカロライナ州は有権者の人種構成が多様化しており、白人人口が90%超を占めるアイオワ州、ニューハンプシャー州とは結果は異なる可能性がある。
非白人や若者や浮動票層に焦点を当ててきたサンダース氏は、中南米系人口の多いネバダ州で勝つ可能性は高い。一方でバイデン氏は巻き返しを賭けて、サウスカロライナ州の黒人層の支持を集めたいと考えている。
米キニピアック大学の今週の世論調査では、黒人の民主党支持層でバイデン氏支持率は51%から27%へ低下したが、依然としてブルームバーグ氏の22%、サンダース氏の19%を上回っている。
ブティジェッジ氏とクロブシャー氏は双方とも、この黒人層の支持取り付けが課題だ。両氏とも黒人有権者に食い込めていないし、ブティジェッジ氏はとりわけ、市長時代の警察運営や経済開発の優先順位といった点で、黒人層から不評だ。
最終的な決定要因は資金力かもしれない。ブティジェッジ氏、クロブシャー氏、バイデン氏は数日内に、資金集めのイベントを予定。3氏のうちではブティジェッジ氏がこれまで継続的に一番資金を集めてきたが、クロブシャー氏の陣営も11日、ネバダ州でのテレビ広告枠購入に向けて多額の資金を投入しつつあると表明した。
だが3氏とも、ブルームバーグ氏の資金力には太刀打ちできないだろう。ブルームバーグ氏は既に、選挙運動に2億5000万ドル以上を支出している。
ボストン大学のホプキンズ氏は、ブルームバーグ氏の存在感がだんだん視界に入りつつあり、民主党の候補指名レースは安定せず、下手すると7月の指名党大会まで不安定な状態が続きかねないとのムードに結びついていると指摘。「今年はまったく異例だ。誰も代議員の過半数を取れないとの見通しも出てきている」と語った。
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