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中東イラク議会、駐留米軍含む外国部隊の撤退求める決議 米は再考求める

1月5日に招集されたイラクの議会は、同国に駐留する米軍やその他の外国部隊の撤退を求める決議を可決した(2020年 ロイター/Iraqi parliament media office)
5日に招集されたイラクの議会は、同国に駐留する米軍やその他の外国部隊の撤退を求める決議を可決した。米軍がイラクの首都バグダッドで、イラン革命防衛隊の精鋭「コッズ部隊」のソレイマニ司令官を殺害したことを受け、イラク国内で反米感情が高まっている。
米国とイランの間では威嚇の応酬が激化しており、ポンペオ米国務長官は、イランやその関係組織による米国人や米国の施設に対する新たな攻撃があれば、米国政府はイランの政策決定者を選んで標的にすると警告した。
欧州連合(EU)や英国、オマーンなどは両国に対し、外交的努力によって危機を打開するよう呼び掛けている。
イラク議会によるこうした決議は通常、政府に対する拘束力はないものの、この日可決された決議は影響力を持つ可能性が高い。
同国のアブドルマハディ暫定首相はこれより先、議会に対してできるだけ早期に外国部隊の駐留を終わらせるよう要請していた。
米国政府はイラク議会の決議に対して遺憾の意を表明。国務省のオルタガス報道官は「きょうの決議の法的性格や影響がより明らかになるのを待っているが、イラクの指導部に対しては、米国とイラクの現在の経済・安全保障面での関係、およびISIS(過激派組織「イスラム国」)を打ち負かすための国際的な協調体制を継続することの重要性について、再考するよう強く求める」とする声明を発表した。
イラクには現在、約5000人規模の米軍が駐留しているが、その役割は助言などが中心となっている。
アブドルマハディ暫定首相は「国内的にも対外的にも困難が伴うかもしれないが、原則的にも実質的にも、米国主導の外国部隊の駐留を終了させることが、イラクにとって最善だ」と述べた。


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