最新記事

台湾総統選

台湾・蔡英文総統、反浸透法案「至急」可決を 中国の影響阻止訴え

2019年12月29日(日)12時04分

台湾の蔡英文総統は、中国から政治的影響が及ぶのを阻止するための「反浸透法案」を、「至急」可決しなければならないと述べた。写真は蔡英文総統。台北で12月25日撮影(2019年 ロイター/Ann Wang)

台湾の蔡英文総統は27日、中国から政治的影響が及ぶのを阻止するための「反浸透法案」を、「至急」可決しなければならないと述べた。

法案は、中国による工作に対抗する数年来の努力の一環だ。台湾では、中国が政治家への不法献金やメディア、その他の不正手段で、台湾の政治や民主制度に影響を及ぼそうとしていると多くが見ている。

中国は台湾が自国の一部であると主張している。必要であれば武力を行使して管理下に置く姿勢だ。台湾は「中華民国」を正式名とする独立した国であると主張している。

与党・民主進歩党(民進党)は1月11日の総統・立法委員(議員)選挙を控え、法案を再び推し進めている。議会審議が予定される31日に法案が成立する可能性がある。

親中路線の最大野党・国民党は法案を非難している。蔡氏と民進党が支持率を得る間、国民党を中国共産党の工作員として描き上げる「政治的手段」であるとの主張だ。また、中国との正常なやり取りを犯罪とみなすこととなると指摘している。蔡氏と民進党はこうした見解を否定している。

中国の台湾政策を担う国務院台湾事務弁公室は今週、民進党が同法案で民主制度を明らかに覆そうとしており、敵対心を煽ろうとしていると非難した。

蔡氏は「中国は民主制度がないのに台湾が民主制度を覆そうとしていると批判している」と反論。「中国に民主的選挙はない上、台湾の民主的選挙に介入している。馬鹿げていて笑える事態だ」と語った。

中国は介入を否定している。

[ロイター]


トムソンロイター・ジャパン

Copyright (C) 2019トムソンロイター・ジャパン(株)記事の無断転用を禁じます



2019123120200107issue_cover150.jpg
※画像をクリックすると
アマゾンに飛びます

2019年12月31日/2020年1月7日号(12月24日発売)は「ISSUES 2020」特集。米大統領選トランプ再選の可能性、「見えない」日本外交の処方箋、中国・インド経済の急成長の終焉など、12の論点から無秩序化する世界を読み解く年末の大合併号です。


今、あなたにオススメ
ニュース速報

ワールド

イスラエル、ガザで40カ所空爆 少なくとも30人死

ワールド

米がウクライナ和平仲介断念も 国務長官指摘 数日で

ワールド

米側の要請あれば、加藤財務相が為替協議するだろう=

ワールド

次回関税協議で具体的前進得られるよう調整加速を指示
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:トランプショック
特集:トランプショック
2025年4月22日号(4/15発売)

大規模関税発表の直後に90日間の猶予を宣言。世界経済を揺さぶるトランプの真意は?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ? 1位は意外にも...!?
  • 2
    【渡航注意】今のアメリカでうっかり捕まれば、裁判もなく中米の監禁センターに送られ、間違いとわかっても帰還は望めない
  • 3
    【クイズ】売上高が世界1位の「半導体ベンダー」はどこ? ついに首位交代!
  • 4
    米経済への悪影響も大きい「トランプ関税」...なぜ、…
  • 5
    紅茶をこよなく愛するイギリス人の僕がティーバッグ…
  • 6
    トランプ関税 90日後の世界──不透明な中でも見えてき…
  • 7
    ノーベル賞作家のハン・ガン氏が3回読んだ美学者の…
  • 8
    今のアメリカは「文革期の中国」と同じ...中国人すら…
  • 9
    あなたには「この印」ある? 特定の世代は「腕に同じ…
  • 10
    トランプが「核保有国」北朝鮮に超音速爆撃機B1Bを展…
  • 1
    間食はなぜ「ナッツ一択」なのか?...がん・心疾患・抜け毛の予防にも役立つ可能性【最新研究】
  • 2
    北朝鮮兵の親たち、息子の「ロシア送り」を阻止するための戦い...膨れ上がった「腐敗」の実態
  • 3
    【クイズ】世界で最も「半導体の工場」が多い国どこ? 1位は意外にも...!?
  • 4
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 5
    クレオパトラの墓をついに発見? 発掘調査を率いた…
  • 6
    あなたには「この印」ある? 特定の世代は「腕に同じ…
  • 7
    パニック発作の原因とは何か?...「あなたは病気では…
  • 8
    中国はアメリカとの貿易戦争に勝てない...理由はトラ…
  • 9
    動揺を見せない習近平...貿易戦争の準備ができている…
  • 10
    【渡航注意】今のアメリカでうっかり捕まれば、裁判…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 3
    【話題の写真】高速列車で前席のカップルが「最悪の行為」に及ぶ...インド人男性の撮影した「衝撃写真」にネット震撼【画像】
  • 4
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山…
  • 5
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 6
    健康寿命を伸ばすカギは「人体最大の器官」にあった.…
  • 7
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 8
    【心が疲れたとき】メンタルが一瞬で “最…
  • 9
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 10
    「低炭水化物ダイエット」で豆類はNG...体重が増えな…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中