英トラック死亡事件、犠牲のベトナム人密航者のうち16人が無言の帰国
遺族には遺体の送還費用も重い負担に......
今回、遺体の返還にあたって遺族は遺体を棺に収めた状態で約3000ドル、火葬した遺骨の場合は1800ドル支払う必要があるとベトナム政府から説明されたという。だが、亡くなった39人がイギリスで命を落としたのは、不法就労で故郷にいる家族に仕送りをするためだったという事情を考えれば、遺体の返還は少しでも安くすませたいところだが、それでも多くの遺族は伝統に従い、火葬にせずに遺体を埋葬する方を選んだという。
政府はこうした家族の事情を考慮して、送還費用について立て替えて、ローンで支払えるようにしたという。だが、既に多くの借金をかかえている遺族にとっては愛する家族の死という精神的なショックに加え、経済的な負担も降りかかる事態となった。
こうした状況に対して、支援の動きも出ている。現地の女性経営者が返還費用の一部を負担したほか、ベトナム最大の民間企業のひとつ、ヴィングループも2万7000ドルの支援をすることを決めたとdpa通信が伝えた。
また、サポートの輪はベトナムだけでなくイギリスでも拡がっており、募金サイト「GoGunMe」では、当初家族に1,000ドル支援するため40,000ドルの目標を設定して募金を呼びかけたが、予想外の反響で、11万ドル以上の募金が集まっているという。
ベトナム外交部によれば、残る23人の遺体についても早急に送還されるようにイギリス当局と協力しているという。