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スペインスペイン総選挙は極右政党VOXが第3勢力に躍進 与党は過半数届かず
スペインで10日投開票された今年2度目の総選挙(下院、定数350)で、極右政党ボックス(VOX)が4月の選挙の倍以上の議席を獲得した。写真はマドリードでの集会に参加したVOX支持者ら(2019年 ロイター/Susana Vera)
スペインで10日投開票された今年2度目の総選挙(下院、定数350)で、極右政党ボックス(VOX)が4月の選挙の倍以上の議席を獲得した。サンチェス首相率いる穏健左派の社会労働党(PSOE)は第1党を維持したものの、議席は減らし、過半数にはさらに遠い状況となった。右派と左派、どちらの勢力も過半数に届かない中で、組閣に向けた各党間の協議が再び難航する可能性がある。
開票率95%以上の時点で、第2党は中道右派の国民党(PP)、VOXが第3党。VOXの獲得議席は52とみられ、4月に獲得した24から倍以上に拡大。一方で中道右派のシウダダノスが議席を大幅に減らした。
投票率は前回より低く、有権者の選挙疲れが鮮明になった。
スペインは、フランコ総統による独裁時代の記憶から長らくナショナリストの台頭とは無縁だった。しかし政治の混迷に対する怒りとカタルーニャ州独立問題がVOX躍進のきっかけとなっている。
VOXのアバスカル党首は、スペインのために「愛国的な代替案」の構築に努めると述べた。
暫定結果によると、社会労働党の得票率は28%超にとどまり、4月の123から120に議席を減らす見込み。
サンチェス首相は4月の総選挙後に連立政権樹立に失敗。野党間でも合意が成立せず、首相が与党勢力の維持・拡大を目指して再選挙に打って出た。
サンチェス氏は「いずれにしても、われわれは革新政権を樹立し、政治的行き詰まりを解消する。共生に反対して憎しみを助長する政党を除くすべての政党に対し、われわれは協力を呼び掛ける」と述べた。
今後については、社会労働党による少数与党政権が発足する可能性が最も高い。だが、その連立相手がどの政党になるか、その連立がいつまで持続するかは不透明だ。
下院の過半数(176議席)を確保するための連立の組み合わせはいくつか考えられるが、いずれも課題は多い。
一つは、サンチェス氏が率いる少数与党政権をPPが認めるケース。以前にサンチェス氏へのいかなる協力も否定していたPPのカサド党首は選挙結果を受け、政治空白の打開はより難しくなったと認めた上で、社会労働党の次の動きを待つと述べた。
このほか、シウダダノスと複数の地方政党が社会労働党と協力するケースも想定される。
同日の上院選でも、社会労働党は過半数議席を確保できなかった。
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