最新記事

教育

TOEICスコアが日本より150点も高い韓国でも、英語が話せるとは限らない

2019年11月8日(金)19時00分
ウォリックあずみ(映画配給コーディネーター)

ソウルの塾で英語を教えるカリスマ講師  Lee Jae Won - REUTERS

<大学入試に民間試験を導入すれば本当に英語を使いこなせるようになるのか?>

日本での入試制度が大きく揺れている。2020年から導入される予定だった大学入学共通テストの英語への民間試験の導入が延期となった。このニュースはすでに連日報道されているのでご存じの方も多いだろう。

「ヒアリング」と「リーディング」が主だった英語入試試験に、今回「スピーキング」と「ライティング」を採点基準に加わえ、さらにTOEFLや英検などの民間試験の点数が採用されるシステムに変わろうとしていた。しかし、一部地域では開催していない試験があったり、経済的余裕がないと何度もテストを受けることが出来ないなど、平等性について反対意見も多かった。

そんななか、10月24日に萩生田文部科学相が語った「身の丈発言」が炎上、これが決定打となって、2024年まで導入は見送られることとなった。この騒動の一番の被害者は、大人たちに振り回される結果となった学生たちだろう。

苛烈な受験競争の韓国では?

お隣の国、韓国は教育熱心でよく知られている。当然、英語教育にもかなり力を入れており、英語の早期教育も盛んだ。2000年ごろからは、物心の付き始めた子供が母親とともに英語圏の海外に移住し、一人残った父親が韓国から送金する「キロギアッパ(雁父さん)」が現れた。小学校から大学卒業まで別々で暮らすため、韓国に戻ってきたころには父子の絆が薄まっていたり、寂しさから父の自殺が増加したりと、社会問題となってもいる。

TOEIC Program を開発しているEducational Testing Serviceが今年発表した2018年度の国別受験者スコアを見てみよう。990点満点中、アジアではフィリピンが727点でダントツ1位だが、フィリピンはもともとアメリカ植民地だったので英語が日常で使われている為、この結果もうなずける。アジア第2位の韓国は673点で日本の520点を大きく引き離している。

もともと韓国は儒教思想が根強く教育に厳しいお国柄ではあるが、なぜ日本とこのような153点もの差が生まれてしまったのだろうか?

toeic_chart.png

TOEIC 国別平均スコア(2018年)一般社団法人国際ビジネスコミュニケーション協会のデータをもとに作成

今、あなたにオススメ
ニュース速報

ビジネス

米国株式市場=急落、ダウ1679ドル安 トランプ関

ワールド

関税に対する市場の反応、想定されていた=トランプ氏

ワールド

米「NATOに引き続きコミット」、加盟国は国防費大

ビジネス

NY外為市場=ドル対円・ユーロで6カ月ぶり安値、ト
今、あなたにオススメ
MAGAZINE
特集:引きこもるアメリカ
特集:引きこもるアメリカ
2025年4月 8日号(4/ 1発売)

トランプ外交で見捨てられ、ロシアの攻撃リスクにさらされるヨーロッパは日本にとって他人事なのか?

メールマガジンのご登録はこちらから。
人気ランキング
  • 1
    「最後の1杯」は何時までならOKか?...コーヒーと睡眠の「正しい関係」【最新研究】
  • 2
    アメリカで「最古の銃」発見...いったい誰が何のために持ち込んだ?
  • 3
    【クイズ】日本の輸出品で2番目に多いものは何?
  • 4
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる…
  • 5
    得意げに発表した相互関税はトランプのオウンゴール…
  • 6
    「ネイティブ並み」は目指す必要なし? グローバル…
  • 7
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
  • 8
    あまりにも似てる...『インディ・ジョーンズ』の舞台…
  • 9
    8日の予定が286日間に...「長すぎた宇宙旅行」から2…
  • 10
    アメリカから言論の自由が消える...トランプ「思想狩…
  • 1
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い国はどこ?
  • 2
    自らの醜悪さを晒すだけ...ジブリ風AIイラストに「大はしゃぎ」する人に共通する点とは?
  • 3
    中居正広は何をしたのか? 真相を知るためにできる唯一の方法
  • 4
    ロシア空軍基地へのドローン攻撃で、ウクライナが「…
  • 5
    ガムから有害物質が体内に取り込まれている...研究者…
  • 6
    8日の予定が286日間に...「長すぎた宇宙旅行」から2…
  • 7
    磯遊びでは「注意が必要」...6歳の少年が「思わぬ生…
  • 8
    突然の痛風、原因は「贅沢」とは無縁の生活だった...…
  • 9
    あまりにも似てる...『インディ・ジョーンズ』の舞台…
  • 10
    なぜ「猛毒の魚」を大量に...アメリカ先住民がトゲの…
  • 1
    中国戦闘機が「ほぼ垂直に墜落」する衝撃の瞬間...大爆発する機体の「背後」に映っていたのは?
  • 2
    「さようなら、テスラ...」オーナーが次々に「売り飛ばす」理由とは?
  • 3
    「一夜にして死の川に」 ザンビアで、中国所有の鉱山ダムから有毒の水が流出...惨状伝える映像
  • 4
    テスラ失墜...再販価値暴落、下取り拒否...もはやス…
  • 5
    「今まで食べた中で1番おいしいステーキ...」ドジャ…
  • 6
    市販薬が一部の「がんの転移」を防ぐ可能性【最新研…
  • 7
    テスラ販売急減の衝撃...国別に見た「最も苦戦してい…
  • 8
    「テスラ時代」の崩壊...欧州でシェア壊滅、アジアで…
  • 9
    テスラの没落が止まらない...株価は暴落、業績も行き…
  • 10
    【クイズ】世界で最も「レアアースの埋蔵量」が多い…
トランプ2.0記事まとめ
日本再発見 シーズン2
CHALLENGING INNOVATOR
Wonderful Story
MOOK
ニューズウィーク日本版別冊
ニューズウィーク日本版別冊

好評発売中